4月23日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日、二十二日】リオデジャネイロ市西部セナドール・カマラー区コレイア貧民街のある家屋で、床に掘られた穴の中に地雷八個が隠されているのを二十日、リオ州市警が発見した。そのほか、小銃やピストルのカートリッジ三万個や手榴(しゅりゅう)弾百六十一個、防弾チョッキ二個、市警が使うチョッキ九個、小銃一丁、ブーツ二足も見つかり、地雷とともに市警に押収された。地雷が貧民街で押収されるのは今回が初めて。
リオ州保安局は、これらの武器の推定価格を計五十万レアル相当と評価している。武器の所有者は麻薬密売人のロベルト・A・シウヴァ容疑者(通称ロビーニョ)で、犯罪組織TC(第三コマンド)から分かれたTCP(純第三コマンド)のリーダーとみられている。
ブラジルでは九九年以降、地雷の製造および使用は禁じられている。だが、軍事用としてすでに配備したものは保管されている。
このほど発見された地雷はベルギー製で、戦車を破壊するものではなく、兵士の進撃を妨げるために使われる対人地雷である。
市警銃器・爆発物対策課(DRAE)のカルロス・A・オリヴェイラ課長は、これらの兵器が同州陸軍基地から盗まれたという被害届はなかったと報告している。
ブラジル陸軍情報部は、貧民街で発見された地雷八個が、エクアドルとペルーの陸軍倉庫で大量に消えた対人地雷の一部ではないかと推測している。
九五年、両国間で摩擦が生じた際、国境線七十八キロにわたり対人地雷約九万個を設置したと両政府は声明を出したが、実際には地面に埋め込まれなかった地雷もあったという。
あるブラジル人士官によると、米州機構(OAS)の機密文書に、ベルギー製のM―409とブラジル製のT―AB―1が両国で紛失し、しばらくたってから各地で地雷が少量使われたという報告が記述されている。その一例はコロンビアのゲリラ戦での使用だった。
オリヴェイラ課長によると、手榴弾はサンパウロ州ロレーナ市で製造されたという。「手榴弾と地雷にはロット番号が記されている。製造元を見つけ出し、誰に手榴弾を販売したかを割り出すつもりだ」と同課長は言明。武器押収に立ち会ったアウヴァロ・リンス市警警部は、「(地雷を目の当たりにした時、)なんて不公平な戦いなんだという考えが脳裏をよぎった」と心境を打ち明けている。