コラム ALIGN=”MIDDLE” BORDER=”0″>
ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)は、彼をこう評する。
「真っ白いタキシードを着ている時に、空から泥まみれのサッカーボールが落ちてくる。
常人なら、ヒラリと避ける。だが、マラドーナなら?何の躊躇も見せず、胸で止めるはずだ」
ディエゴ・マラドーナ、四十三歳。ブエノスアイレスの貧困地区に生まれた彼は、「魔法の杖」とも言える左足で数々の名場面を演出してきた。
ペレー引退後、空位が続いた王の座を継承したのは一九八六年。メキシコで、マラドーナは母国を世界一に導いた。
天才が見せる全てのプレーに、当時、私を含む世界中のサッカー少年が憧れ、真似を試みた。
惜しむべきは、天才にありがちな自己破滅的な生き様だ。十八日には麻薬乱用による心臓病で、危篤が続いている。
無事を願うのはポルテーニョだけでない。(記)
04/04/23