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大サンパウロ市圏失業率20・6%へ=過去最悪の水準=功を奏さぬ雇用対策=穀倉地帯は求人ラッシュ

4月24日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】調査会社のSEADE/DIEESEは二十二日、大サンパウロ市圏の失業率が三月、二〇・六%と過去最悪だった昨年四、五、九月の水準に戻ったと発表した。これでサンパウロ市の失業者は、二百万人となった。同社の調査は、非正規労働者や自由業者も含む。二月の勤労者平均所得も前月比で三・三%減少した。回復の兆しが見えた産業界であったが、まだ雇用創出は軌道に乗っていないことをパロッシ財務相が認めた。

 二月の失業率一九・八%が、三月は二〇・六%へ上昇した。新たに九万四千人が失業し、その内二万人はクリスマスの臨時雇用であった。同調査会社は、四月も目立った動きがないため失業率は同水準で推移するものとみている。例年はこの時期、決算も終わり生産開始のため求人が行われるが、今年は採用が求職を下回ったとしている。
 臨時雇用を除く七万四千人の失職は、予想を上回るとして関係者を驚かせた。最も解雇が多かったのは、工業部門で八万七千人。中でも食品工業が、一六%で一番多い。続いて印刷と製紙で一〇・一%。さらにサービス部門は二万七千人、商業部門は一万五千人を解雇した。同期間の採用は三万五千人、建築作業員やメードなどであった。  
 〇四年第一・四半期の解雇累計は三十万六千人で、九二年第一・四半期の四十七万二千人と〇二年第一・四半期の三十三万二千人に次ぐ解雇の嵐であった。
 パロッシ財務相は、政府の雇用対策が功を奏してないことを認めた。労働省の統計では、〇四年第一・四半期は過去十二年で最高の雇用数であったと記録されているが、解雇数がそれを上回った。財務相は〇四年は経済が活性化し、必ず雇用が解雇を上回ると声明を発表した。
 フルラン産業開発相は、就職前線が大都市から地方都市へ移動していると告げた。穀倉地帯の地方都市では現在、未曾有の求人ラッシュに沸いているという。政府は大都市の雇用創出のために、住宅建設と上下水道整備で投資家を募っているところだと語った。
 政府は上下水道の整備工事を最優先事業に位置付けながら、政権発足一年目は割り当て予算の〇・八五%を投下したに過ぎなかったという経緯がある。
 カンピナース大学の統計では、労働人口の増加率は年間で一・八%なのに雇用創出には限度があると結論を出した。職種内容も求職者の希望とは、かけ離れている。産業構造から見て雇用の創出努力だけで、労働人口の増加率を上回ることは不可能とする調査結果だ。大サンパウロ市圏の就職状況は絶望的で、事態のさらなる深刻化が予想されると同大はみている。
 統一中央労組(CUT)のマリーニョ理事長と中央労組(FS)のシウヴァ理事長は、労働者は大恐慌前夜の状況に置かれていると、ルーラ大統領へ警告し、直ちに経済政策の変更と金利の引き下げを求めた。平均所得の低下が毎月三・三%続くなら、給料は一年後に半減すると訴えた。