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6日にわたる暴動終結=ウルソ・ブランコ刑務所 人質167人全員解放=兵糧政めを猫の肉で凌ぐ ロンドーニア

4月24日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン二十三日】十八日に服役囚らの暴動が発生し、緊迫した状態が続いていたロンドーニア州ポルト・ヴェーリョ市ジョゼ・マリオ・アウヴェス最高防備刑務所(通称、ウルソ・ブランコ刑務所)で二十二日、同州保安局と服役囚らが交渉、合意に至り、六日間にわたる暴動は終結した。同刑務所の暴動事件は、囚人のバラバラ死体を親族の目の前で投げ捨てるという服役囚らの残虐行為がブラジル全国で報道され、国民にショックを与えた。二十三日午前十時時点では、同局は殺害された服役囚数を十四人と発表している。
 保安局は服役囚三十人の移動、同刑務所の幹部らの更迭、刑務所内の生活環境の改善などを約束し、合意書に両者がサインして暴動が正式に終結。それから数時間後、軍警が刑務所内に入り、人質百六十七人(女性百五十九人、男性八人)を解放し、服役囚らの身体検査と監房の点検を実施した。
 暴動に参加した服役囚らは、犯罪組織PCFRO(ロンドーニア脱走第一コマンド)のメンバーだと言明しているが、保安当局はすでに存在する犯罪組織ではなく、暴動中に作られたものとみている。エスタード紙によれば、暴動は二つの犯罪組織によるもので、その片方が残虐行為を繰り返したという。
 連邦政府はプロのネゴシエーターを提供すると同州政府に提案していたが、当初州政府はそれを拒否。州政府は刑務所の電気や水道、食事をカットして服役囚らに圧力を加えた。囚人と人質らは、猫の肉を食べて飢えに耐える状況に陥った。囚人たちは刑務所の中庭で井戸を掘り、飲み水を得た。
 その後も連邦政府はネゴシエーターの起用を勧め続け、イーヴォ・カソル同州知事(PSDB=ブラジル社会民主党)はやっと政府の助言を受け入れた。
 十六日に服役囚二人が仲たがいした仲間に殺害される事件が起こり、騒動は勢いを増して十八日には暴動に発展。同刑務所を訪問していた親族百六十八人は軍警を所内に突入させないよう自主的に人質として残っていた。暴動中、妊婦一人が流産し、この女性のみ解放された。女性は同市ベース病院に入院している。
 暴動囚人らの要求事項は、二十一日に本紙で報道した内容以外に、服役囚の子供の訪問許可や保健室・教会・公衆電話の設置、週二回の日光浴許可などもあった。
 暴動二日目の十九日午前、高さ二十六メートルの貯水槽のある塔で、暴動囚人らは仲間のバラバラ死体を投げ捨て、二十日には仲間三人の遺体を塔の上から逆さに吊るすという残虐な行為に恐怖した囚人八人は、刑務所からの脱出に成功。二十一日に脱出した囚人三人によると脱出中、暴動囚人らに追跡されて石や瓦を投げ付けられたが、門の近くで警官らに救助されたという。