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自由で喜びに満ちた余生=趣味、学習、仕事、健康…=生活各方面の助言紹介=仕事の継続はプラス効果

4月24日(土)

  【アゴーラ紙系オーラ誌18日】60歳を迎えることは、人に頼り悲しみに埋もれて生きるという、定年退職前の人々の多くが想像するようなことではない。自分の身体の調子にさえ気をつければ、自由で喜びに満ちた余生を送ることができる。俳優兼作家の故マリオ・ラーゴさんは、「90歳という年齢はいろいろと(自分自身に)制限を与えるものだが、それを受け入れ、順応しなければならない。わたしはパレードが通り過ぎるのをただ見守るだけではなく、パレードと一緒に歩いていくよ」と言い残したが、まったくその通りである。高齢者の方々すべてが〃パレード〃と一緒に歩いていけるように、オーラ誌は趣味や健康、仕事、学習面でのアドバイスを紹介している。

 [趣味]
 適度な運動や手工芸などをすることは、この年齢で起こりやすいうつ病などの予防になるほか、自分自身に自信がつき、新しい友達をつくる絶好のチャンスでもある。
 心身の健康を目指す高齢者のために、さまざまな講座が開かれている。ヨガや太極拳など体育系講座のほか、生け花、ギター、コーラスなど文化系の講座がそれだ。高齢者を対象にしたダンスパーティーや旅行パックもある。
 サンパウロ市に住むアメーリコ・ピエッポさん(83)は毎週土曜日、子供の頃から大好きな草サッカーを楽しんでいる。20年間欠かしたことがないという。ピエッポさんのように、自分が好きな、そして自分に適した趣味に打ち込むことが良いと専門家はアドバイスしている。
 [健康]
 健康な高齢期の第一歩は病気の予防から始まる。高齢者専門医での定期検診はとても重要である。高齢になると、高血圧や高糖尿値、高コレステロール値などの問題が出てくる。女性の場合は、関節炎やリウマチ、心臓病などにかかりやすくなる。
 人間は50歳から、10年に1センチの割合で身長が縮んでいく。60歳頃には姿勢に影響が出て、バランスがとりにくくなり、歩き方も変化する。また、70歳からは聴力が徐々に失われていく。
 感染症にかからないためにも予防接種を受けるのは大切。ジフテリアと破傷風から守るドゥプラ予防接種(10年に1回)、肺炎などの原因にもなるインフルエンザの予防接種(毎年1回)などは欠かせない。
 [仕事]
 ブラジルの高齢者の21%が、年金を受け取る年齢になっても仕事を続けている。年金が少ないという理由で仕事する人もいるが、「社会に貢献したい」「家族のためになりたい」「仕事が好き」という理由で再雇用を求める人もいる。
 心理専門家らは、うつ病予防や社会性の維持、心身活動の持続などの利点があるとし、高齢者の労働はプラス要素が多いと指摘している。
 現在ブラジルの60歳以上の人口は1500万人で、成年の総人口の14%に相当する。そして、高齢者の70%は自分自身で家計を支えている。
 高齢者の85%は自分自身の収入があるが、定年退職者はうち59%のみである。高齢者の平均月給は589レアルだという。
 [学習]
 「勉学に年齢はない」。これが高齢者専門大学に通う高齢者たちの合言葉だという。
 サンパウロ市内の高齢者専門大学では入学の際、最低年齢(主に40歳から60歳以上)以外に必要な制限はなく、受験もない。受講回数や授業中の学生の様子が、学生の評価につながる。
 特にコンピューター関係のコースが注目されている。パソコンを利用したいと考えている高齢者は大勢いるが、高齢者に合わせて辛抱強く教える子供や孫はなかなかいないからだ。
 また、英語やスペイン語、イタリア語などの外国語コースも人気がある。高齢者にとっては新しい知識を得るだけでなく、クラスメートとの交流も非常に大切であると、オーラ誌は記している。