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ドイツ移民今年180周年=年間通じて多彩な事業=〝現代〟にスポット=3つの母国との絆を再確認

4月28日(水)

 ブラジル・ドイツ移民が今年七月、百八十周年を迎える。年間を通じて移民史の出版、ドイツ祭り、マラソン大会など記念事業が南部・南東部を中心に繰り広げられる予定だ。百周年、百五十周年では、両国高官の出席の下、豪華な式典が開かれ、新聞、雑誌などが大々的に報道した。その後、百六十年、百七十年の節目ももちろん祝った。百八十年の今年は、〃現代〃にスポットを当てたものになるという。総予算は百六十万レアル。記念事業をいくつか紹介してみたい。
 祭典委員会のサイト(www.brasilalemanha.com.br)には「ドイツ、オーストリア、スイスとの強い絆を再確認する日になる。これら三国はかつてブラジルに移民を送出したが、今は先進国である」と綴られている。ブラジルも先進国の仲間入りを希望。夢の実現が近づきつつあることを祝いたい考えのようだ。
 もちろん、南部、南東部の発展に寄与した移民の功績も称える。
 リオ・グランデ・ド・スルとバーデン・ヴィユテンブルグ、サンタカタリーナとバビエイラが科学技術に関する協定を締結。同二州知事が昨年ドイツを訪れ、州の高官たちを記念式典に招待した。
 主な記念事業は次の通り。【展覧会】移民やその子弟たちの生活や労働を五十枚のパネルで紹介する。歴史的な資料となるもの。ヴァーレ・ド・リオ・ドス・シノス大学ゲルマン系ブラジル人研究センター(サンレオポルド市)がコンピューターを駆使して製作した。ポルトアレグレ、サンパウロ、リオ、ブラジリアなど全国九都市で開かれる。
 【『A PRESENCA ALEMA NO BRASIL-180 ANOS:PASSADO-PRESENTE-FUTURO』の出版】ブラジル・ドイツ系社会の構造を多角的に分析したもの。ポルトガル語とドイツ語の二カ国語で表記される。これまで、このような書籍は刊行されたことがないという。
 【PEDRO WEINGARTNER】ドイツ系で有名な画家、ペドロ・ウエインガルテナルの生誕百五十年を記念して、回顧展と書籍の出版が企画されている。
 【ドイツ祭り】移民の日の前日、七月二十四日から翌二十五日にかけて、サンパウロ、リオ、ブラジリア、ブルメナウ、ジョインヴィーレなど全国十一都市で開かれる。
 【マラソン大会】七月二十五日に、サン・レオポルドをはじめとする十都市で行われる。百八十周年記念シャツを着用して走る。出場者は数百万人に上る見込み。
 【リブレット『1824-Antes e Depois』】リオ・グランデ・ド・スル、サンタ・カタリーナ州のドイツ移民史。ポケットサイズ。テウモ・ラウロ・ミレル教授(サンレオポルド・ヴィスコンデ歴史博物館理事)が執筆、ポルトアレグレ領事館が編集する。二十万部を発行、主要都市の学校に無料で配布される。
 ドイツ移民の歴史は、一八二四年七月二十五日に三十九人がサンレオポルドに入植したことに始まる。一九三九年までに約三十万人が渡伯。リオ・グランデ・ド・スルを中心に百四十二のコロニアをつくった。製靴、繊維、自動車などの分野で大きな貢献を果たした。