4月28日(水)
ブラジル日本都道府県人会連合会の収支報告やフェスチヴァル・ド・ジャポン(日本祭り)の運営について、監査役会が八項目の質問状を中沢宏一会長ら執行部に提出していることが二十六日、ニッケイ新聞の調べで分かった。十五日以内の回答を求めている監査役会は、三十日の代表者会議で改めて質問状を提出する方針だ。従来、県連を含む日系各団体では定期総会で形式的な役割を果たしてきた監査役会。宮崎県人会長の吉加江ネルソン監事や、愛知県人会長の林アンドレー監事ら六人の正補監事で構成される。会計の透明化だけでなく、執行部の運営についても監査役会が、質問状を申し入れるのは、県連はもとよりコロニア団体では極めて異例。今後も監査役会の動きに注目が集まりそうだ。
監査役は今年三月の定期総会で選出。吉加江、林両監事に加え、群馬県人会長の高柳清監事と大西博己広島県人会ら三人の補監事からなる。
質問状は今月二十二日付けで、中沢会長宛てに提出。五月七日までに回答を求めている。
質問は八項目にわたる。(1)毎月二十日現在での県連の収支報告と銀行の残高(2)今年一、二、三月のバランスシート(3)二〇〇四年度の執行部会の予定表(4)毎月二十日現在の執行部会の出席簿(5)今年一、二、三月の執行部会の議事録と出席簿(6)今年度日本祭りのスポンサーとの契約書(7)毎月二十日現在での日本祭りの収支報告書(8)今年一、二、三月の日本祭りの収支報告と関係書類の提出――となっている。
「形骸化していた従来と違い、監査役会の役割を強化する」と選出当初から、林監事が明言していたとおり、新監事は会合を持ち、今後の方針などを検討してきた。吉加江監事によると「会計の透明化」「正しい運営のあり方」について、チェックしていこうというのが監査役会の方針だ。
特に会計報告については、年度末に形ばかりのチェックをし、署名をすることが多かった従来の方式とは一転。毎月監査役会を開催し、収支報告などを検討する。
また、八項目の質問のうち三つを日本祭り関連で占めていることから分かるように、監査役会は日本祭りの収支報告を重視。数十万レアルが動く行事だけに、金の動きは透明化したい考えだ。
約十二万レアルの赤字を出した一昨年、直前まで収支ゼロだった昨年のように、日本祭りは会計面の不安が常に指摘されてきた。今年も約六十万レアルのスポンサー料を見込む執行部。スポンサーの確保が成功の鍵を握るだけに、吉加江監事は「毎月の状況を明らかにすれば、各会長にも安心していただけるはず」と語る。さらにスポンサー探しを県連外部の人間が、十%の手数料を得て担当していることについても、次回代表者会議で質問が出される可能性がある。
監査役会では三十日の代表者会議で、質問状を各県人会長らにも配布し、監査役会の立場と方針について理解を求める予定だ。
質問状の提出を受け、中沢会長は二十七日に執行部会を開催し、監査役会の要求を検討。二十九日に監査役会と話し合いの場を持つことに決めた。中沢会長は「透明化を図るのは当然のこと。監査役会に上手に機能してもらい、今後の運営を図りたい」との意向を示した。