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偽執行官が未決囚奪回=正門から堂々と6人も=職員まんまと騙され、知事激怒 サンパウロ市

4月29日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十八日】サンパウロ市東部ベレン区第一拘置所(CDP1)で二十六日夜、偽の裁判所執行官が拘置所職員を騙して内部に侵入し、未決囚六人とともに堂々と正門から脱走するという大胆不敵な事件が発生した。奪回されなかった未決囚らはその後、職員六人を人質にとり、約十一時間にわたって暴動を起こした。
 ベレン複合拘置所の正門担当の職員によれば、同日午後十時四十分、銀色のゴル車に乗ってきた背広姿の男が現れ、身分証明書と裁判所執行官証明書を提示した。
 執行官と名乗る男は、CDP1に勾留(こうりゅう)されているセーリオ・P・S・ロー被告の釈放令状を見せた。職員は何も疑わずに男のデータを記述し、中に入ることを許可した。
 CDP1の前で、男は三、四人の仲間と職員一人を取り押さえた。サンパウロ州刑務所管理局は、仲間がどうやって拘置所内部に侵入したかは不明だと発表している。
 ピストルや小型機関銃で武装していた犯人らは、ほかの職員らやCDP1の所長の身柄を拘束し、未決囚六人が勾留されていた第七号棟の監房へ向かった。
 六人を奪回した犯人らは、ゴル車を使って複合拘置所の正門を破壊した。ゴル車はクローン車両で、男が犯行に利用した書類はすべて偽造書類だった。偽の釈放令状を出されたロー被告が奪回されなかったことから、同被告は元々、犯罪組織側の奪回対象になっていなかったとみられている。
 古川長同局長官によると、車に乗って逃げた未決囚は一人か二人のみで、残りは徒歩で脱走したという。奪回された未決囚六人のうち、五人は殺人事件の訴訟の判決待ちだった。
 この事件には合点のいかない事実がいくつかある。偽執行官の仲間はどのように拘置所内部に侵入したのか? なぜ銃器の使用を認められている防壁警備員らは犯行グループの存在にまったく気づかず、車が脱走する時にさえ誰も発砲しなかったのか? 逃走時に正門に現れた警備員はなぜ発砲しなかったのか? 防犯カメラが作動していたにも関わらず、犯人らの映像が一切収録されなかったのはなぜか?
 古川長官は二十七日、同拘置所付近の照明設備に不備があったことから、男の仲間たちが、同拘置所の外側にある空き地から塀を乗り越えて中庭に侵入したのではないかとの推測を述べた。「完全防備を心がけるのが当然だが、実際には防備に隙があった」と、当局の責任を認めている。
 ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(PSDB=ブラジル社会民主党)は、「そんな馬鹿なことがあっていいのか? 無能な職員がそろっているか、職員が賄賂(わいろ)を受け取ったかのどちらかとしか考えられない」と憤っている。

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