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昔懐かしい〝海の道〟=サントス旧街道 原生林で歴史を偲ぶ

5月01日(土)

 サンパウロ市中心部から四十五分。旧サントス街道に、美しい風景と環境的、歴史的、文化的遺産をミックスさせた新しい観光ルートができた。そう、サンパウロ州の海岸沿いにあるカミーニョ・ド・マール(直訳、海の道)である。エストラーダ・デ・サントス(サントス街道。別名、旧街道)を観光用に改良したもので、同州の五局が協力して建設、四月に完成した。
 カミーニョ・ド・マールは開通当時、別の名前があった。街道が開通した一八四四年、ドン・ペドロ二世の後見解除にちなんで、エストラーダ・ダ・マイオリダーデ(成年街道)と命名された。当時は、サンパウロ市と海岸地方をつなぐ馬車道、ドン・ペドロ一世や二世などブラジル史に登場する重要人物が利用した。
 カミーニョ・ド・マールの名称になったのは一九二六年。一九一三年に始まったラ米初のコンクリート舗装工事が完了した年に改名された。一九九二年から車両の通行が禁止されている。
 サンパウロ州観光局によると、延べ九キロあるカミーニョを訪れる予想観光客数は一日当たり最大二百人。最高二十人のグループ(十二歳以上)を、計十五人のガイドが案内する。高齢者や心身障害者は、ワゴン車を利用できる。
 カミーニョでは、さまざまな観光プログラムを楽しめる。
 徒歩で自然を満喫するロテイロ・エコトゥリズモ(自然観察コース)では、大西洋森林の原生林を観察ができる。運が良ければ動物と遭遇できるかも。
 カミーニョ中の記念碑すべてを徒歩で見学するロテイロ・イストリコ(歴史観光コース)もある。記念碑は九つあり、うち八つが一九二二年に独立百周年を記念してたてられた。最古の記念碑は一七九二年のカウサーダ・ド・ロレーナである。
 ロテイロ・エネルジコ(電力コース)では、路面電車に乗ってセーラ・ド・マール(海岸山脈)をくだり、クバトン市のヘンリー・ボーデン水力発電所まで行く。
 ロテイロ・ダス・アーグアス(水のコース)では、出発点はサンパウロ市南部ペドレイラ区。定員二十人のランチャーに乗り、ビリングス湖を通って、サンベルナルド・ド・カンポ市のポルタリーアへ向かう。
 カミーニョ・ド・マール観光は火曜日から日曜日まで。あらかじめ電話予約する必要がある。お問い合わせは(0××13)3372・3307(内線番号283)番まで。
 (エスタード・デ・サンパウロ紙四月二十一日、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二月十五日)