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県連日本祭り 田畑体制で=実行委、執行部で固め=大会委員長には中沢会長=「開かれた組織」強調

5月1日(土)

 日本祭りは田畑体制で始動――。ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)は四月三十日、リベルダーデ区の沖縄県人会で代表者会議を開いた。執行部の不手際から反発を招き、先日開かれたフェスチヴァル・ド・ジャポン(日本祭り)の会合で決まらなかった実行委員会の設置などが議題の中心となった。中沢会長は「根回し不足だった」と陳謝した上で、改めて田畑稔副会長を実行委員長として提案。賛成多数で田畑体制を承認した。
 一昨年計上した大幅な赤字をほとんど補填する黒字を出した昨年の日本祭り。昨年から代表者会議では早急な実行委員会の設置を望む声が出されていたが、スポンサー料の確保が祭りの成功を左右するため、中沢会長ら執行部がスポンサー確保に奔走。先月二十日には、実行委員会を立ち上げるための会合を開いた。
 当初、執行部では田畑稔副会長を実行委員長に、副委員長にはサンパウロ州議会儀典長の高橋カルロス氏、コーディネーターには秀島マルセロ氏らで実行委員会を構成する予定だった。ところが、執行部が各県人会長らの了解を得ずに、発表したことから「県連外部の人間が何故、実行委に」「まず代表者会議で諮るべき」などと異論が噴出。執行部の「勇み足」から、二十日の会合では実行委員会が決まらなかった。
 仕切り直しとなったこの日の代表者会議冒頭、中沢会長は不手際をわびた上で、「早急な立ち上げが必要」と実行委員会の設置について理解を求めた。
 執行部が提案した日本祭りの実行委員長は田畑副会長に、副実行委員長に高橋一水副会長と有北和田之示副会長という顔ぶれとなった。前回、反発のきっかけを生んだ高橋氏と秀島氏は、含まれなかった。
 また、実行委員会だけに日本祭りの責任を負わせないためにも、中沢会長以下執行部全員が、日本祭りの主要ポストに名を連ねた。
 今年から新設された大会委員長には中沢会長が、副大会委員長には南雲良治、尾西貞夫の両副会長が選出された。
 吉加江ネルソン監事からは「主要ポストを執行部だけで固めている。もっと民主的な組織にすべき」との見解が出たが、執行部は「我々だけで運営するのではない。希望する方には喜んで入っていただく」などと「開かれた」組織であることを強調した。
 また、中沢会長はスポンサー探しを外部の外交員に一〇%の報酬を払って依頼していることについて「我々執行部だけでは、手が行き届かない会社を担当してもらっている」と釈明、理解を求めた。
 吉加江監事は、今年度の日本祭りを担当するイベント会社「ヤノ・クウトゥラル」が代表者会議の承認を得ずに、契約を結んでいることにも疑問を呈した。これを受け、大西博己補監事は「この会社はブッフェ・ヤノが名前を名乗っているだけで、会社の実体も経験もない。どういう契約なのか」などと詰め寄った。中沢会長は、イベント会社との契約が事後承諾となったことをわびた上で「契約書は早急に各県人会に送らせていただく」と回答した。
 また、三十日現在で郷土食は三十六県人会と四つの福祉団体、郷土芸能は十二県が参加することも報告された。