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変遷するデカセギ紙=「日本の情報優先」、多様化

5月1日(土)

 日本のポルトガル語新聞は十年前、ブラジルに関する情報ばかりだったが、ここ五年は日本国内のニュースが優先される一方、日本のブラジル人コミュニティの出来事をより多く報じるようになっているーー。
 「日本のポルトガル語紙」をテーマに調査してきたワタナベ・エリ・ジュリアナさんはこのたび研究結果をまとめて発表、ロンドリーナ州立大学で学位を受けた。ワタナベさんはコミュニティのブラジル人について「日本の生活に溶け込んで多様化してきた」と分析した上で、伯字紙の生き残りの成否は「さまざまなニーズに対応できるかにかかっている」とみる。
 十日付インターナシオナル・プレス紙によると、ワタナベさんは三年前、茨城県の筑波大学修士課程に留学。伯字紙はブラジル情勢をもっぱら伝える媒体であると信じていたが、大泉町コミュニティで聞き取り調査した結果、「日本を知るための情報源である」ことが明らかになったという。
 また、ワタナベさんは「日本に住んでいるブラジルの青年は、教育に関する情報のニュースソースとしても活用している」とも説明。ブラジルのスプレチーヴォ(教育課程補修学校)の試験が日本でも行なわれることなどを告知している伯字紙の役割を示した。