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ブラジル人学生も、入学対象=早大総長、OB懇談会で示唆

5月4日(水)

  日本の早稲田大学の白井克彦総長は二日夜、サンパウロ市内のレストランで開かれた大学OB主催の懇談会に出席後の記者会見で、今年四月に新設したばかりの「国際教養学部」の入学者をブラジルからも募る考えを明かした。
 進学校に在学する日系ブラジル人らを対象に「スカウト活動」を展開する可能性を示唆、六月には関係者をサンパウロ市に派遣する予定もあるという。アジア太平洋地域の中心的大学として存在感のある大学づくりを進める白井総長は「授業はすべて英語なので問題ない。十人、二十人の規模でどんどん来てもらいたいと思っている」と述べた。
 また、学術交流協定を結んでいるサンパウロ大学(USP)と継続的に留学生を交換していきたいとも希望。三日午前、今後の交換留学制度について、その受け入れ態勢など同大学の学長らと意見交換した。
 この夜の懇談会には、サンパウロ市に住む移住者、および日本企業の駐在員など七十人以上が集合。大学総長の来伯は四年ぶり三度目で、ブラジルOB会(会員約百人)の相田祐弘会長は「日本には市町村さらには区単位にまで同窓会があると聞いているが、うちのように近年に二度も総長を迎えることが出来るのは稀ではないか」とあいさつ。
 総長は「稲門会(早大の同窓会)の数は一千を超え、交友の総数は四十八万人と日本の大学でも最大規模」と説明した上で、「いま世界の四百の大学と提携を結んでいる。六百人定員の『国際教養学部』では海外留学が義務となるし、近未来、一学年の生徒一万人のうち二千人が海外で単位を取ってくるような時代になるだろう」と予測。
 来賓として出席していた慶応大学のブラジルOB会の石井賢治会長は「総長の話しをうかがって、もう一度勉強するなら早稲田かな」と話し、会場の笑いを誘っていた。
 出席会員の自己紹介を兼ねた一分スピーチの後、校歌「都の西北」を全員で合唱、懇談会は閉会した。