5月5日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】屋根材や水槽などに使用されているアスベスト(石綿)製品が発がん物質とされたことで、サンパウロ大学(USP)研究室は植物繊維による代替物質を開発した。
溶鉱炉の廃物セメントと植物繊維、合成物質を混合したもので、ファイバー・セメントと呼ぶ。植物繊維はバナナの幹の繊維やサイザル麻、ココ椰子の繊維、エウカリプトの繊維その他が用いられた。
新素材は、サンパウロ州研究支援機関(FAPESP)と民間企業から財政支援を受けて開発された。レーメ市のペルマテックス社が現在、同素材で月産七千個の水槽を生産している。四月から屋根材の生産も始める。
ピラスヌンガ市のUSP食品工学部で、同素材の伸縮性や耐水性、比重、密度、吸水性の検査を行っている。従来のアスベストに比較し発がん性がないほか、断熱性や耐久性、強度、軽さに富むことが判明した。
海外では四十二カ国が、健康に有害であるとしてアスベスト製品の製造販売を禁じている。フランスでは政府が、アスベスト製品工場に就労していた作業員へ障害保障を認めた。ブラジル政府は、まだ製造販売の禁止をしていない。