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ビンゴが営業再開=上院、暫定令を否決=現政権、無念の初黒星=最低賃金も見直しへ

5月7日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】政府が決定したビンゴの営業禁止や最低賃金に関する暫定令が五日、上院で連立与党上議を取り込んだ野党によって否決され、現政権で初めての暫定令却下となった。政府の根回し不足が野党提出の最低賃金見直し案の可決につながり、政府は議会で最初の敗北を喫した。下院社会保障委員会でも野党が財務相と予算管理相の喚問を要求、可決された。政府のビンゴ営業禁止暫定令が否決され、ビンゴは六日復活することになった。
 政府は初めて、暫定令を無効にされる不名誉な敗北を味わった。ビンゴとスロットマシンが、六日から営業を再開する。ビンゴ営業禁止暫定令は表決の結果、三十一票対三十三票で無効となった。レベロ政調会長は、ビンゴ解禁を司法判断に委ねると営業禁止をあきらめてはいない。
 野党は連立与党の上議を含めて、反対三十三票を獲得していた。サルネイ上院議長は連立与党を取り込んだ野党の行き過ぎた行動が連邦令に反すると表決を停止し、議事進行を打ち切ろうとした。しかし、同志と思われたPMDB所属の上議らが、反政府票を投じたので見送った。マガリャンエス上議(PFL)や息女のロゼアナ上議ら九人は、棄権した。
 与党の上議らは、ビンゴ経営者の八〇%が犯罪組織のメンバーであり、ビンゴ解禁は社会問題であることを認識している。しかし執拗に攻めると、ジニス不祥事のCPI(議会調査委員会)設置に発展する恐れがある。PTとしては、痛し痒しの問題であった。
 最高裁は上院のビンゴ解禁可決が、国内の賭博の合法性を認めたとみている。ビンゴと公益宝くじ店の営業は、州条例で公に認められている。最高裁は検事総長の要請で、ビンゴ営業など十種にわたる州条例の廃止に向けて合憲性判断を迫られている。
 上院で午前に審議された最低賃金見直しで野党の結束が異常に堅いことで、与党は根回し不足の不手際に危機感を覚えた。与党は油断をしていたようだ。今後、最低賃金を見直す委員会の委員長にはジェレサッチ上議(PSDB)が、就任の予定だ。
 ほぼ同時刻、下院社会保障委員会はパロッシ財務相とマンテガ予算管理相の喚問を可決した。最低賃金を二百六十レアルにした経緯を、説明せよというのだ。
両相の喚問は下院本会議で行われ、下議らの集中砲火を浴びることになる。
 長い間ネオンが消えていたイジェノポリス大通りのビンゴ・メトロポリは五日、一晩中イルミネーションを灯しビンゴ解禁を祝った。
同店は十五日前に裁判所の仮処分で営業許可を取得し、細々と営業をしていた。経営者は再開を見込んで、内部を改装した。上院の通過と同時に顧客が押しかけた。スロットマシン三百台は、フル回転している。
 スマレ大通りのビンゴ・インペラドールも、スロットマシンがすでに稼働している。晴れて解禁となったことで、客入りは三倍に跳ね上がったという。顧客らは、ストレス解消にこれ以上のものはないとご満悦だ。解雇された従業員らは昨夜、ビンゴ店に続々復帰した。