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放火で子供4人死亡=「悪魔へのいけにえに」=脱走受刑者、父と金銭トラブル=南大河州

5月7日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】リオ・グランデ・ド・スル州大ポルト・アレグレ圏カノーアス市で五日未明、マリアンテ刑務所から脱走したマルシオ・カルドーゾ受刑者(一八)が一軒家に放火し、六歳から十二歳までの四人兄弟が焼死した。
 カルドーゾ受刑者は二カ月前に同刑務所から脱走した。同日午前十時ごろに逮捕された同受刑者は、「刑務所から脱走した日に、再び警官に捕まえられることのないよう、悪魔と契約を結んでいけにえを捧げると約束した。それを遂行していただけだ」と話し、警官らを驚かせた。
 亡くなったロゼライネさん(一二)、クレイトンくん(一〇)、クレニウトンちゃん(九つ)、エマヌエーレちゃん(六つ)の四人は、父親のセウソ・ダ・シウヴァさん(四三、石工)とともに暮らしていた。母親は病弱で、サンレオポウド市の親戚宅で療養していた。
 シウヴァさんによると同日未明、カルドーゾ受刑者が現れ、二百レアルを返せと要求してきた。二人はカシャッサ(通称ピンガ)を飲んで話し合ったが、シウヴァさんは金を払わなかった。シウヴァさんは、「借金などしていない」と断言している。
 カルドーゾ受刑者は帰ったが、酔った勢いでまたシウヴァさん宅に戻り、シウヴァさんに殴りかかったという。シウヴァさんは抵抗したが、カルドーゾ受刑者は金槌でシウヴァさんを殴り、縄で縛って目隠しした。
 カルドーゾ受刑者は、子供の着ていた洋服を利用して子供たちを縛り上げ、さるぐつわをはめた。シウヴァさんは何とか縄を解くことに成功し、火の中を潜り抜けて家から飛び出したという。
 シウヴァさんは火を消すことができず、子供たちを救うために再び中に入ろうとしたが、失敗に終わった。レオネル・カリヴァーリ警部は、「シウヴァさんは体中に火傷を負った」と言明している。
 カルドーゾ受刑者は刑務所を脱走してから、シウヴァさん宅の周辺によく出没していたので、近所の人々も顔を知っていた。四日夜、同受刑者は金を請求しにシウヴァさんを二度尋ね、払わなければ悪魔との契約を実行に移すと脅したという。
 同受刑者は放火を認めているものの、「子供は縛っていない」と供述。子供たちの焼死体は何かに縛られた状態で、遺体の一つにはナイフで刺された跡があったと現場検証を行った検死官は話している。