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カローラ・フィールダー=ブラジル待望のSワゴン=トヨタがきょう販売開始

5月7日(金)

 トヨタ・ド・ブラジル社(岡部裕之社長)は七日から、ステーションワゴンの「カローラ・フィールダー」を販売開始する。フィアット社のマレア・ウイークエンド車や、プジョー社の307SW車の対抗車として、デザインや機能が数段優れている同車を南米市場に投入した格好となる。日本では二〇〇〇年に発売されたが、ブラジル製フィールダーの研究開発はその二年後に始まった。マニュアル型ととオートマチック型があり、いずれもブラジル人技術者によって、舗装状態の悪いブラジルでも十分耐用できるよう設計されているという。
 ルイス・カルロス・アンドラーデ・ジュニオール副社長は三日の発表会で「ステーションワゴンの購入を希望している人は多いが、現状ではブラジルでの販売機種が少ない」ことから、フィールダーの生産販売に踏み切ったと強調した。
 同社の調査結果では、日本の自動車会社が製造するワゴンを欲しがっている人が目立ったが、これまで購入予定者の希望を満たす車種がブラジルでは生産されてなかったという。
 フィールダーの主な特徴は、カローラXEiの安全性、融通性と、スポーツ車感覚にある。エンジンは百三十六馬力。排気量一・八リットルで十六ヴァルブに徹底した低フリクション化と、燃費改善したVVTiシステムを備える。二つのエアーバッグと積載量四百十一リットルのトランクを搭載。ブレーキは制御時のタイヤロックを防ぎ、車両安全性を確保するABS機能に加えて、積載状態に応じて前後・左右輪にブレーキ圧を分配するEBDも装備された。
 販売開始までの総投資額は一千五百万ドルで、機械設備や製造工具の設計に一千万ドル、残り五百万ドルは製造ライン・トレーニングや人員養成のために投資した。
 月間販売目標はメルコスール市場で七百台、うち六百台をブラジル国内で見込んでいる。また、中南米での目標は三百三十台と定められた。価格はオートマチックで五万九千九百五十レアル、マニュアルで五万六千四十レアル。
 トヨタ・ド・ブラジル社は五八年に創業。九八年、サンパウロ州インダイアツーバ市に乗用車工場を建て、昨年は新カローラを四万六百二十八台売り上げた。
 「ここにくるまで、いろいろな改革を行ってきた。いまでは近代的で立派な会社になった」と、岡部社長は三日の発表会で胸を張った。ブラジルの消費者が待ち望んだ新型ステーションワゴンを今回市場投入することで、さらなる会社の発展を目指す。