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コラム 樹海


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 米兵のイラク人虐待は許し難い。捕虜を素っ裸にし鞍をつけては乗馬を楽しむ。性行為を強要したの報道もあるし「人間として恥ずべきこと」を行った罪は大きい。写真まで撮影させ新聞やテレビで報じられたのでは、汚濁の事実を認めざるをえない。ブッシュ大統領は謝罪しラムズフェルド国防長官は「責任はすべてわたくしに―」と詫びた▼軍はスキャンダルに関与した准将や将校を処罰したけれども、この不祥事が引き起こした政治的な決着はまだまだ続くに違いない。イギリス兵も同じような汚穢に満ちた事々に関係したらしくブレイア首相が陳謝したが、これですべてが終わるとは思ってはいまい。事件は重大であり徹底的な責任の追及は当然である。だが―、一つ注意したいのは、軍隊に纏わるこうした醜聞は決して今回が初めてではないことにも目を向けるべきは言うまでもない▼兵士と性の問題は古くて新しく―未だに決定的な解決策はないのが「真実」だし、暴力や不埒な行為も後を絶たないのが「現実」なのである。勿論、人として許される事ではない。日本との条約を一方的に破棄し日本軍を攻撃してきたソ連軍の暴虐の限りは今に語り継がれる。婦女子への暴行などは多くの書籍によって暴露されたし筆舌に尽くし難い犯罪であった▼古くは、あの北清事変のとき出兵した欧州の兵士たちにしてもかなり目茶苦茶清だった。と、この種の腐敗の極にある事件は多いのであり、兵士に規律をしっかりと守らせるのは真に難しい。   (遯)

 04/05/11