5月12日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日、時事十日】九日付米紙ニューヨーク・タイムズが「ブラジル指導者の酒好きに国民的懸念」と題して掲載した、ビールで乾杯するルーラ大統領の写真を添えた記事が同大統領の逆鱗(げきりん)に触れた事件で、ジョゼ・アレンカール副大統領(PL=自由党)、ジョゼ・ジルセウ官房長官、そして国会与野党代表者一同が十日、この件に関して大統領を全面的に支持する意思を表明した。
連邦政府弁護士局と司法省は同日、同事件に対する連邦政府の法的措置を検討。NYタイムズ紙が謝罪の言葉を掲載しなければ、米国の裁判所に名誉毀損(きそん)で訴え、賠償を求めるもよう。
ジョゼ・サルネイ上院議長(与党PMDB=ブラジル民主運動党)は、「差別にほかならない」と憤慨の意を示した。野党PSDB(ブラジル社会民主党)の上院リーダー、アルトゥール・ヴィルジーリオ議員も、「ブラジル国の名誉を傷つける記事」と非難、ルーラ大統領を支持した。
NYタイムズ紙の記事では、ルーラ大統領が地酒カシャッサ(通称ピンガ)など強い酒を好むとした上で、「最近、しばしば難題を側近に押し付けて公衆の面前から姿を消すが、これは飲酒のせいとの見方が広がっている」などと指摘。これに対し政府は即座に声明を出し、「大統領の習慣は平均的ブラジル人と何ら変わりない。記事に根拠はなく低俗で扇動的だ」と非難した。