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コラム 樹海


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 国民年金の保険料未払いが、これほどの政治問題になるとは思わなかった。名番頭として政界を取り仕切っていた福田官房長官が未払いで引責辞任。民主党の菅直人代表も若手からの突き上げもあって辞任を表明し、今や後継者探しでドタバタ騒ぎ。六閣僚が未納だったし、羽田孜元首相も橋本龍太郎元首相や齋藤十郎元参院議長もが払ってはいなかったそうだ▼そんな大騒ぎの最中に今度は公明党の神崎武法代表や冬柴鉄三幹事長など党三役もが未払い。憲法の守り神をもって任ずる社民党の元党首・土井たか子さんは、史上初の女性衆議院議長で国会議事堂で活躍したけれども、この女傑も未払い。いや共産党にも未払い組がいるのだから、これはもう政界をすっぽり包んでいる「闇」と見たほうがいいのかもしれない。尤も、悪意があったのではなくうっかりミスだと思いたい―▼こんなに大騒ぎになったのは、国民に負担増を求める年金改革法案が審議中だったせいもあるが、民主党のように七月に迫った参議院選挙も影響している。「菅代表では戦えない」の声が、これを象徴している。それにしても、国政を担う人々が、これほどに法を破るとは、国民も驚いたに違いない。国民年金は保険料を何十年も支払い積み重ねて初めて貰えるものであって決して「無料」ではない▼新聞やテレビなどのマスコミは、これを機会にとばかりに政治家叩きに懸命ながら年金が国家百年の計であるの問題意識を国民にきちんと知らせる方策をこそ取るべきは言うを待つまい。   (遯)

 04/05/13