5月15日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】ジョゼ・セーラPSDB党首は十三日、PSDB所属の州知事や連邦議員の応援のもとサンパウロ市長選に向けた陣営の旗揚げを行った。同党首は、マルタ・スプリシ市長の現市政を無能呼ばわりし、実力とモラル発揚の市政を実施し、ぬか喜びの空公約はしないと宣言した。応援に駆けつけたネーヴェス・ミナス州知事は、同党首の出馬がPSDBを次期政権へ果敢に返り咲かせる先駆けになると広言した。
セーラ陣営の旗揚げ式は、サンパウロ市議会の貴賓室で行われた。応援にアウキミンサンパウロ州知事やネーヴェス・ミナス州知事、ペリロ・ゴイアス州知事、ジェレイサッチ上議、ヴィルジリオ下議、ヴィレラ下議、パヴァン下議などが参加した。サンパウロ市長選よりも、次期大統領選を照準に入れた水面下の駆け引きも始まったようだ。
ミナス州知事の音頭取りで、同党首の出馬はブラジルが必要とする改革への足固めであり、大統領選への前哨戦と位置付けした。ジェレイサッチ上議は、サンパウロ市長選がPSDBにとって大きな前進になると言明した。国民は空手形をばらまいて、公約が守れない政権を疎ましく思っている。その結果がサンパウロ市長選で、ハッキリ表れると述べた。
セーラ候補は、一連の市政と政府の批判を行った。
見かけ倒しの政府広報、縁故採用、資金捻出のための水増し公共事業、運輸行政の不在、教育政策の頓挫、保健医療の後退など。
同党首は市長の任期四年をまっとうするとして、知事選や大統領選への出馬を否定した。今度は時間をかけて慎重に進むと述べた。改革は不慣れな者の掛け声だけではできないと批判。だが、カルドーゾ前大統領の欠席が精彩を欠いた。
〇二年大統領選の”第三次決戦投票”ともいわれる〇四年サンパウロ市長選で同党首のテレビ放送は、ジニス氏のリベート請求現場やベネジッタ社会福祉相の公金による私旅行、INSSに並ぶ高齢者の長蛇の列、国内総生産(GDP)のマイナス成長などを流した。
ブラジルは、誤った道を歩いていると訴えた。まずサンパウロ市から正しい道へ引き戻すという。PSDBは徹底的な金利の引き下げ、民間企業の設備投資促進を旗印にすると公約した。
特に強調したのは、最低賃金倍増の公約が二十レアルの最低賃金調整になったこと。一日につき六六セントの「雀の涙」。他に、千万人の雇用創出。現政権は五百日を経過し、残すは九百六十日となった。公約を守るなら、毎分七人の雇用創出が必要という。
政府は〇四年の第1・四半期に治安や住宅、国道、小農などの問題を放置し大統領府予算を三五%増額、新しい大統領専用機購入に精を出したが、それどころではないと皮肉った。
最後に、大統領はどうしてよいか分からず決断不能だから、後手後手の連続。無能な閣僚は、オタオタするばかり。現政権に不足しているのは、予算ではなく能力だと締めくくった。