5月15日(土)
4月25日に110周年を迎えたリオのイパネマ海岸。世界的に有名な美しい海岸の魅力とは―。歴史家のミウトン・テイシェイラさんは、流行発信地としてのイパネマ地区の魅力を強調する。
「ボサノバやビキニの場合がそうだ。コパカバーナで誕生したが、イパネマ地区で名声を得た」と語るテイシェイラさんは、タンガ(ピチピチの海水パンツ)が同地区で初めて登場した頃を振り返る。
イパネマの夏は常に新たな歴史を生み出してきた。レイラ・ジニースさんの妊娠したお腹、フェルナンド・ガベイラさんのタンガは夏の話題を振りまいた。1960年代に女の子たちは裸足で海辺に向かった。1970年代には、モデルのモニッケ・エヴァンスさんはイパネマ海岸でトップレスとなった。
1987年9月14日にはヨットの乗員らが1.5キロの大麻をくくりつけた缶を2万本も海に流した事件、「缶の夏」が起こった。警察当局が回収できたのは2,000本。残りは海水浴客やサーファーに釣り上げられた。
1990年代に海岸の「第九地点」は、海岸や海で大麻を吸う海水浴客が警察の追手から逃れるために生まれた避難所となった。町のギャングが集団強奪を行ったのもここ。「イパネマではそうしたアイデアがすぐ流行る。考えを表現する自由と空間がそこにはあった」とテイシェイラさんは話す。1930年代以降、警察に弾圧された芸術家たちやインテリ、ボヘミアン(流浪者)がイパネマを占拠し出してから、そうした風潮が培われたという。 (エスタード・デ・サンパウロ紙4月25日)