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高齢化、日本文化伝承…悩みは一緒=亜日文化財団から視察団

5月15日(土)

 アルゼンチンの亜日文化財団(高坂和憲理事長)指導部メンバーが十三日、サンパウロ市の日系団体視察のため来伯。十六日まで滞在し文協、援協、日伯文化連盟などを訪問する。
 あいさつに来社した高坂理事長は「アルゼンチンのコロニアは高齢化が進んでいる。このままでは日本文化伝承が難しくなってくる。同じ問題を抱えているこちらの日系社会の現状を見聞きしたい」と話し、ブラジルでの視察を今後に役立てたい考えだ。
 六七年、当時の皇太子ご夫妻の来亜を記念してブエノスアイレス市パレルモ区に日本庭園が開園。財団は庭園の管理と日本文化紹介を目的に八九年、設立された。庭園面積は二万五千平方メートル。敷地内には文化会館があり、生け花、日本語、墨絵、折り紙、茶茶道、押し花、書道などのほか、マンガアニメなどの講習会や研修会が盛んに行なわれている。館内のレストランでは日本食も提供。年間約五十万人が来園するという。訪問客の八割は非日系アルゼンチン人だ。
 財団経営の責任者、仙波モニカ本部長は「多くのアルゼンチン人に日本文化を紹介する仕事はやり甲斐がある。今回の訪問ではブラジルの日系団体がどのような経営をしているのか、しっかり見てみたい」と意気込む。
 文化担当の田上セシリア理事は「自分でも墨絵,折り紙、生け花や書道を教える日本文化学校を経営している。生徒は合わせて二百人ぐらい。これを機会にブラジルとの間で日本文化の交流をできたら」などと希望を述べた。
 財団指導部メンバーの案内には、パンアメリカン日系人協会ブラジル支部の矢野敬崇代表と、青年部の栗田クラウジオ氏が当たるという。