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警官、1日に3人を殺害=過去最悪、人権意識低い司法当局

5月18日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】リオ州の警察は全国で最も暴力的で、一日に平均三・二人を殺害。サンパウロ州の警察は二・三七人を殺害し、このい割合は九二年以降最も高いー。NGO団体『ジュスチッサ・グローバル(国際正義)』は十三日、「〇三年ブラジルの人権」と題した報告書を発表、こうした内容が明らかとなった。
 同報告書によると、ブラジルの警察は世界で最も暴力的な警察の一つで、刑務所は懲罰、人権侵害、貧困が犯罪を生むことを具現化した場所となっている。受刑者の五四・二%は三十歳未満、一〇・四%は文盲、六九・五%は小学校卒業と学歴は低い。九五年から〇三年の八年間で受刑者数は八四%増加した。「若者らはすし詰めの監房、暴動、不衛生な環境、伝染病といった地獄の中に閉じ込められ、肉体的、精神的苦痛を強いられている」。
 ブラジルの司法当局は保守的かつ、警官や刑務官の暴力、拷問、人権侵害に寛容であると同報告書は指摘する。
 また、〇三年に地方の農地紛争で労働者七十三人が殺害され、この数は前年比六九・八%の増加で九〇年以降最多となっている。同年、殺害されたインジオの数は二十七人に上り、九七年の二十九人に次いで多い死者数となった。連邦政府が私設警察の捜査を怠り、土地所有者の圧力に譲歩したことが、こうした紛争を助長したと同NGOは分析している。