5月19日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙五日、十八日】国会査察委員会(CPI)は来月十五日、二十一州で発覚した未成年者に対する性的虐待事件百八十六件に関与した疑いで、市長らなど約百人を告発する。マリア・ド・ロザーリオ下院議員(PT=労働者党)が作成したCPI調査書を事前に入手したフォーリャ紙が十八日に報じた。告発される百人には、市長や市会議員、州議員、未成年者専門裁判所判事などの有力者三十三人が含まれている。
同委員会の調査は二〇〇三年六月十二日に始まった。検察庁はこの調査書に基づいて、未成年者性的虐待の容疑で摘発に乗り出し、起訴するとみられる。
同調査書に記述されている事件の中では、サンパウロ州ポルト・フェレイラ市で起きた少女強制売春事件がよく知られている。未成年者性的虐待で有罪判決を下された十人のうち、六人が市会議員だったからだ。
ミナス・ジェライス州ポンペウ市では、フランシスコ・L・C・ギマランエス市長(PDT=民主労働党)と同市の事業家らが、未成年者の〃売春ネットワーク〃をつくっていた容疑で捜査されていた。CPIによれば、同ネットワークは顧客に少女をあっせんし、デートなどを企画していたという。
マット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市のセーザル・ディズニー元市議(元PT党員)とロビソン・マルチンス元市議(元PSDB=ブラジル社会民主党=党員)の二人も、未成年者への性的虐待および強姦の容疑ですでに起訴されている。同州でも、売春ネットワークが形成されていた。CPIによると、ディズニー元下議は、自分の愛人の娘とされる十歳の少女に性的虐待行為をしていたという。
CPIによれば、ブラジル北東部で、有力者が関与するさまざまな児童性的虐待事件が発覚している。しかしながら、最もこの種の事件が多い州はマット・グロッソ州で、摘発件数は三十三件に及ぶ。
告発された有力者らは、弁護士などを通して容疑を否定している。CPIだけではなく、連邦道路警察(PRF)の諜報部も未成年者への性的虐待を捜査しており、百五十三カ所の国道を利用した性に関係した犯罪網を突き止めた。「未成年者性的虐待マップ」と名づけられた調査結果によって、トラック運転手などが利用する国道沿いの未成年者売春ポイントが、二十三州の六百五十カ所にあることが明らかになったという。