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刑務所での携帯通話続く=電波帯拡大で妨害装置機能せず=サンパウロ州

5月19日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】刑務所に設置された携帯電話通話妨害装置が機能を果たさなくなっている。
 理由は簡単なもので、携帯電話は現在、全国で数十に上る電波帯を使用しているが、妨害装置は唯一つの電波帯を妨害するようにしか設定されていないため。
 例えば、サンパウロ州ミランドーポリス市のネストール・カノーア刑務所で、麻薬密売人のアブジエル・P・ラベーロ服役者が携帯電話を使ってコカイン五百キロの購入を指示した事件が発生している。
 同刑務所の通話妨害装置は、Aバンドとして知られる、テレブラスが使用していた八百から九百メガヘルツの電波帯を妨害できるが、現在、携帯電話市場の拡大に伴って五つの電波帯が追加されている。昨年一月、追加された電波帯が同市でまだ使用されていなかったので、州政府は安い装置―十九万七千レアルーの設置を選択した。しかし一年後には事実上くず同然になってしまった。新しい電波を妨害するには電波帯ごとに約十万レアルがかかる。
 サンパウロ州政府は百十八カ所ある刑務所のうち七カ所に同装置を設置している。