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保健相の右腕を逮捕=透析剤を不正購入=過去13年間で20億R$=連警の「吸血鬼」作戦

5月21日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】連邦警察は二十億レアルに上る透析剤の不正購入容疑で十九日、保健省の管理職十四人を逮捕した。連警の「吸血鬼」作戦で逮捕された高官の中には、コスタ保健相の右腕とされたルイス・G・シウヴァ長官も含まれている。さらに企業家三人が指名手配された。連警の報告によれば、最低十三年前から透析剤購入の水増し請求と一部業者の談合で違法入札が行われていたという。
 保健省を舞台に一部業者は、人工透析剤の入札で保健省の高官と共謀し、水増し請求と不正業者の優遇、職権乱用、落札価格の情報漏洩、談合、他業者の排斥などの不正行為を九〇年代初めから行っていた。
 事件の発端は、人工透析剤を納入する製薬会社が〇三年三月、保健省の資材購入の国際入札で違法行為があるとの告発だった。連警は保健省の入札を中止させ、手続きを捜査し、透析剤は臨時購入させた。
 コスタ保健相は〇三年八月、レシフェ市長時代のシウヴァ衛生課長を保健省の信任管理職に任命し、物流機構の管理を担当させた。同年九月、同剤入札で再度不正が行われたと、匿名の告発があった。連警は再度、捜査した。
 連警は過去十三年に逆上って全ての入札を調べ毎年一億七千万レアル、合計二十億レアルの不正取引が行われたことを突き止めた。
 ジュネーブへ外遊中の保健相は、ルーラ大統領の命令で即時帰国の途についた。ワグネル保健相代行は、保健相の命令で同省の信任管理職全員を更迭した。
 十四人の高官逮捕に先立ち、連警はペルナンブーコ、リオデジャネイロ、聖三州と首都で、容疑者の自宅を家宅捜索し、盗聴記録、監視カメラの録画、銀行口座明細表を押収した。血液の透析剤の取引にちなんで命名された「吸血鬼」作戦は、三月から開始された。
 透析剤は、ブラジルに製剤技術がなく、輸入されている。同輸入剤を入札すると、市販価格より四二%は割安になるはずだった。落札には、企業家やロビイスト、保健省高官とその一族、専門次官、連邦職員、衛生局係官多数が関与した。
 逃走中の企業家は、保健省に十三年前から出入りしていた。連警は、犯罪規模が想像するより大掛かりなものになるとみている。同組織に関係したペレス弁護士が、九六年に殺害された。当時の捜査では殺害が組織内の縄張り争いによる内部抗争とされた。連警は同組織の主犯を、ブラジリア新聞の経営者で事業家のロウレンソ・R・ペイショットとみている。
 コスタ保健相の側近逮捕は、同相にとって黒星となりそうだ。シウヴァ容疑者はリオのがん・センターで、薬剤九十種の在庫を不足させ、手術に支障きたすなどの問題を起こした。結局病院側の責任で決着し、院長を更迭。幹部四人も辞任させた。保健省がシウヴァ容疑者の管理下に入ってから、リオのがん・センターは病院でなく就職斡旋所になったと、PSDBが批判した。