5月21日(金)
全国拓植農業協同組合連合会(JATAK)が日系農業者支援の一環として二〇〇一年六月にグァタパラ市に設立した農業技術普及交流センター(塩谷哲夫所長)が、二〇〇六年三月に建設を終了、畑や潅漑施設の整備も完成する。
同センターはJATAKの国際農業交流促進特別対策事業の一つとして、新しい農業技術の開発普及、最新の技術など情報の収集提供、日系農業者への技術指導、農業者間の交流など技術の普及を目的に設立された。
他の研究機関、大学、企業との共同研究も活動の一つ。(独)国際農林水産業研究センター(JIRCAS)と「草地改良、大豆の連作障害を防止し持続的な土地利用を図るための畑・草地の転換」について、パウリスタ総合大学(UNESP)と「日系農業、農業発達史、今後のあり方、有機農業、ハウス園芸」について研究を進めている。
また、ブラジル農業拓植協同組合中央会(原林平会長)と協力して各地の日系農業、農協の活性化を支援する他、民間との共同研究も考えており、塩谷所長は「ブラジルをはじめ、南米各地の日系農業の振興のために手を携えて活動していきたい」としている。
同センターでは、三月十四日に当地方最大の農協組織であるCOPLANAによる「ディア・デ・カンポ」がロドリゴ・ロドリゲス農務大臣ら農業関係者が多数参加して盛大に行なわれた。「このイベントは日頃の農業研究成果を示す集まりで、非日系人も数多く参加した。センターの存在意義がブラジル側にも認められつつある」と塩谷氏は同センターの可能性を語る。