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  小泉首相がきょう二十二日、北朝鮮を再び訪問する。拉致被害者家族の帰国や核の廃棄を求めるなど課題は多く、ミサイル「ノドン」をめぐる安全保障と国交正常化についての話し合いも行われる見通しであり極めて大切な会議となる。首相は外交上の慣習をも破って「お握り持参」の日帰りという日程だそうだが、北朝鮮の「外交」はしぶとい▼拉致問題をとって見ても、家族八人の帰国ですべてが終わるわけではない。曽我ひとみさんの夫・ジェンキンスさんは脱走兵でありアメリカが「無罪」とは行くまいし、本人も日本行きに難色を示している。また死亡したとされる横田めぐみさんら十人の情報も真に曖昧なものであり消息がはっきりしていない。この点も日本はきちんと北朝鮮側に詳細な説明を求めるべきだ▼どちらにしろ、日本人拉致は北朝鮮による「国家犯罪」なのであり、日本にとっては重大な主権侵害になるの認識を改めて持って欲しい。コメ支援や人道上の救援などは、これらの課題が解決してからの話であるのは言うまでもない。日本のテレビ局が早々と「二十五万トン支援で最終調整」と報じたので首相秘書官とひと悶着あったらしが、厳しく言えば―この種の報道にはもっと心くばりがあっていい▼国連や諸国が救援米として送ったものが実際に庶民に渡っているのかの疑問もあるし、単に「人道」の美名に躍らされる愚は避けたい。核兵器の開発やミサイルにしても北朝鮮には「謎」が余りに多すぎる。これらを踏まえての小泉・金会談を期待したい。(遯)

 04/05/22