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リスクの高い連帯保証人=民法改正で理不尽な制度誕生

5月26日(水)

 【エポカ誌】民法の改正により、連帯保証という理不尽な制度が生まれた。普段はろくに挨拶もしないし、忙しいのに手伝いもしない同僚が、銀行与信の保証人になってくれと頼みに来る。何と面の皮の厚い奴と思う。銀行が間違いの少ない同僚や親族の連帯保証を歓迎するからなのだ。
 同僚の保証人では代償を請求するわけにいかず、だからと自分の財産をずうずうしい同僚のためリスクにさらす気にもなれない。同じ社内で、同僚と気まずい関係も作りたくない。しかし、下手をしたら妻が呆れ返って、三行半を突き付ける。最悪の場合は、友と金と妻を失う。
こんなとき、上手な断り方を教える。「銀行はいくら利子を取るのか。えっ、それは高すぎる。私が同額を無利子で貸して上げよう。その代わり、銀行の支店長に保証人になってもらうことを約束してくれ」と件の同僚にいうのだ。
 これは理にかなっている。銀行がしていることを要求するのだから支店長は断れないはずだが、銀行の規則で支店長は顧客の裏書保証をしない。同僚や親族の裏書保証は、金融業者のうがった手口だ。
 ブラジル社会でいう友情とか親族関係は代々、長い時間をかけて作るもので、金融業者は顧客の弱味を知っている。ブラジルでは何十年の付き合いがあろうと即戦力にならない同志や、信用に値しない友情や親族関係は、落とし紙と同じように扱われる。
 親族同士の裏書保証は、非常に難しい問題。兄弟は他人の始まりという格言が、現実となるからだ。友人や親族をつなぐ絆は銀行と顧客をつなぐ信用と全く異なることを、銀行にうまく逆用されているのだ。
 銀行は、他人の裏書保証をするだけの資産を持たない顧客を人間扱いしない。同僚との間に長年の友情の絆がなく、同僚が自分の生命より信用を大切にする人間ではないなら、同僚への裏書保証は額面の資産を無償で与えたのと同じ。
 社長が会社を救うため、使用人に裏書保証を頼むのは珍しくない。社長と社員の間に信頼の絆がないなら会社が潰れるか、失職するかのどっちかで終わりだ。まさに抱き合い心中。相手と抱き合い心中をする関係になるならば、相手の人格をよく見極める必要がある。ほとんどの人間関係は悪意がなくても、ずさんな取り決めが疑心暗鬼の関係を生み出す。
 ブラジルの新民法では、裏書保証に妻も連帯保証をすることになった。夫にいわれ何か知らないで、サインする妻が多い。夫にサインのリスクを警告し、夫の手綱を取れる妻は少ない。夫婦喧嘩の種が、もう一つ増えたことになる。
 夫の仕事の関係の人となると、妻の立場は弱い。うまく行けばよいが、夫の一生を棒に振ることにもなりかねない。新民法は連帯保証制度によって他人との関わりを強いることになったが、夫婦関係に問題を持ち込むことになった。
 何のメリットもない妻を裏書保証のリスクに引きずり込むのは間違いだから保証の適用範囲を限定すべきだ。逆にこれだけのリスクがあるのに、誰が私の保証人になるだろうか。
 

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