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公約破りの新最賃=06年までに倍増は不可能

5月26日(水)

 【エポカ誌】ルーラ大統領が四月二十九日、発表した新最低賃金二百六十レアルは、公約破りを認め雇用創出もないことを宣言するものとなった。リカルド・ベルゾイーニ労働相は「PT政権の就任二年で成し得ることは、国民が期待しているより少ないことを告白する」と本音を吐いた。
 もしも最低賃金を〇六年に倍増するなら、〇五年には四〇%の調整をしなければならない。それは現実として、不可能な話。また公約の一千万人の雇用創出も、うまく行って六百万人が精一杯だと労働相はいう。
 最低賃金で裏切った分を、家族手当で穴埋めすることを政府は考えている。月収が五百六十レアル八一セント以下の労働者は、十四歳以下の子供三人までに家族手当を支給する。
 しかし、二千二百万人いる最低賃金労働者の六〇%を占める家政婦は除外されている。クーニャ下院議長は、ルーラ大統領が支持票の票田を失ったと、事実上認めた。
 政府の心配は、社会保障院の累積赤字だ。〇四年末は三百億レアルの赤字が見込まれている。最低賃金を二百七十レアルに上げたら経済は破綻すると、財務省は警鐘を打ち鳴らした。
 二十九日の閣議は、苦汁の会議であった。最後まで食い下がった大統領を、パロッシ財務相とマンテガ予算管理相が説得した。財界も国際金融との協定がある以上、財政収支を優先した財務相の考えを支援した。