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地理統計院 景気回復の兆候確認=第1四半期 2・7%の成長=年成長率、6・8%の予測も=中銀総裁胸撫で下ろす

5月29日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】ブラジル地理統計院(IBGE)は二十七日、第1四半期の国内総生産(GDP)が昨年同期比で二・七%増加し、経済が回復しつつあることを確認したと発表した。GDPは前期比で見ると一・六%増、この成長率を年末まで持続すると、今年度の経済成長率は六%を記録すると予想した。IBGEは経済回復が本物であるかどうかを確かめるため、第2四半期の結果を待っている。
 長い経済不況で暗黒のトンネルを潜り、ようやく曙光が見えてきたようだ。経済成長に関するIBGE発表は、政府の経済スタッフに大きな励ましとなった。三期連続で昨年同期比マイナスで悩まされた後の回復兆候であった。金融市場は二十七日、昨年第4四半期からの回復の手ごたえを感じ、強気に反応した。
 経済回復の兆しが確認されたとはいえ、それは外的要因による成果であって国内は消費市場も雇用創出もまだ本調子ではない。他の経済指標は元気がなく、まだ手放しでは喜べない。
 部門別にGDPを見ると農畜産業が六・四%増、工業が二・九%増、サービス業が一・二%増。農産物輸出は昨年同期比で五・六%増、前期比では一九・三%増とひときわ輝いた。工業では車両が六%増と健闘したが、土木建築が大きく落ち込んだ。
 産業界は、ツキが戻ってきたようだと安堵した。中央銀行の基本金利(SELIC)据え置き発表で冷水を浴びせられた後、業界は強壮剤を注射されたという。産業界は政府の経済政策を疑問視していた。現政権は数々のプロジェクトを発表したが、どれも掛け声ばかりであった。
 産業開発院(IEDI)は、景気の底打ちを感じたことで、ようやく強気機運になったとみている。〇二年末から始まった不況は、どうやら終わったらしいという。心配なのは輸出が昨年同期比で一九%も伸びたのに、消費が一・二%増と少ないので数字の上だけの喜びともいえそうだ。
 回復は、この後に消費と雇用の伸びがあって本物といえる。もう一つは昨年の新政権就任当時、業界は死に体状態だったことも考慮に入れると、乾杯をするのは早すぎるという銀行界の見方もある。
 経済専門家は、〇四年の経済成長率を六・八%とみている。今年第1四半期のGDPを二%と予測していたが、二・七%は上々であった。〇四年は原油暴騰と金融不安の年だが国内経済はそれを克服し、さらにインフレも抑制する。〇五年のGDPは、〇四年よりやや弱と予測した。
 中銀のメイレーレス総裁は、IBGE発表に胸を撫で下ろした。前回の通貨審議会(COPOM)では、経済指標の動向で議論があった。経済の基礎構造は盤石であり、成長への条件は整ったことを関係者に説得するのに苦労したからだ。COPOMの次の課題は、国際金融不安とブラジルへの影響とされる。
 総裁は、GDP成長率も年末まで同率を保ち、たとえ途中でゼロになっても年間で二・八%から三・五%の経済成長は堅いと見通しを述べた。工業界や銀行の調査報告を踏まえて、消費やローン販売の増加、雇用の回復、輸出の増強を期待すると述べた。