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「日伯関係 未来志向で」=商議所主催歓迎会=堀村新大使があいさつ

6月1日(火)

 ブラジル・日本商工会議所(田中信会頭)は堀村隆彦新ブラジル大使の歓迎会を五月二十八日正午から、セルケイラ・セザール区のルネッサンス・ホテルで行った。歓迎会には石田仁宏総領事をはじめ、会議所の理事六十人が参加した。
 田中会頭は歓迎のあいさつで「最近トヨタ、ホンダ、川崎重工、三井などが投資しているが、撤退する企業の方が増えている。メキシコ・EU間のFTA締結後、メキシコの日本進出企業が不平等関税で大きな被害を被った。二の舞を防ぐためにも、商工会議所と経団連は共同で、日伯間のFTA早期実現のための報告書を外務省に提出した。大使にはFTA実現に向けて大いにバックアップしてほしい」と要請した。
 これに対し、堀村大使は「九七年から二年間サンパウロ総領事として勤務しており、ブラジルは二度目。野党であったPT党のルーラ大統領の舵取には国内外から注目されていたが、慎重かつ現実的な経済政策をとっており、国際金融界から信用を取り戻してきた。しかし今の日本は、アジアに注目していて、優先順位では(ブラジルは)アジア諸国にはかなわない。ここ十数年、日本からの投資沈滞は反省材料だが、どうのようにして南米に目を向けさせるかは、我々の課題。日伯関係改善に尽くしたい」と、そのあいさつで答えた。
 また、ルーラ大統領が経済発展の目覚ましい中国に注目。大統領の訪中には、実業団から四百二十企業家も参加したことなどを受け、「今後、中伯関係は大いに発展するだろう。中国はちょうど日本の六〇年代から七〇年代同様、経済発展の波に乗っている」などと述べた。
 最後に今後の日伯関係改善についての話題に戻り、新大使は「進出企業、日本の政府機関と日系社会の三本柱の連絡を密接にし、未来志向で協力していきたい」と締めくくった。