ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | タバコの消費が減少=禁煙率は先進国より高く=まだ多い若者の喫煙

タバコの消費が減少=禁煙率は先進国より高く=まだ多い若者の喫煙

6月2日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】過去十五年間にブラジル人はタバコの消費量を減らした。しかし、若者は別―。保健省と国立がんセンター(Inca)は三十一日、ブラジル人の喫煙についての調査結果を発表した。
 今回の調査は全国十六の州都に住む二万三千四百五十七人を対象に実施された。八九年にブラジル地理統計院(IBGE)は、国民の喫煙率が三一・七%と算出している。Incaが発表したデータによると、全国十六州都の喫煙率は最も低いアラカジュー市で一二・九%、最も高いポルト・アレグレ市でも二五・二%だった。クリチーバ市は二一・五%、フロリアノーポリス市は二一・四%と南部で喫煙率が高い。
 十六州都で禁煙した人の率は四四%(ジョアン・ペッソーア市)から五八・三%(カンポ・グランデ市)と高く、この率は米国を始めとする先進国の平均四〇%を上回っていることは注目される。
 今回の調査結果はまた、喫煙者の割合が男性、教育歴七年未満の人に多いことも明らかにしている。
 「喫煙者の減少という好結果は若者が喫煙を続ければ相殺されてしまう」とバルボーザ衛生監督局長官は述べた。世界保健機関(WHO)は若者の喫煙者は全世界で約三億人に上り、一日に十万人の青少年が新たに喫煙を始めていると予想する。
 喫煙経験のある若者の間では、十三歳以下でタバコを吸い始めたと答えた人の割合が高く、クリチーバ市では八〇%にまで上っている。ペロッタス連邦大学の研究グループは昨年、若者の労働と喫煙に深い関係があることを明らかにした。働く若者の喫煙率は一四・九%で、働かない若者のそれは四%だった。
 Incaのテンポロン所長は、調査対象となった全州都で六割から八割の若者がとがめられることなくタバコを購入している事実を懸念している。「厳しい法律があるのに、社会への啓発活動が弱いことをこの事実は裏付けている」。
 コスタ保健相によると、昨年末に二〇%引き上げられたタバコにかかる工業製品税(IPI)を再び引き上げることが検討されているという。