6月2日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】リオ市クストージア・デ・ベンフィッカ刑務所で起きた服役者による暴動が三十一日午後八時、終結した。暴動は治まったが、所内では服役者三十人以上が殺害された模様で、所内の立ち入り調査を始めた治安当局は悲惨な結果にショックを隠せないでいる。被害者はいずれも服役者で、人質になっていた二十一人は全て解放され無事だった。
暴動が起きた二十九日から三十日にかけて、服役者たちの要求で当局代表団との交渉がなされていた。三十日午後六時ごろ、人質の一人が射殺されるという不慮の事態が発生したことで交渉は中断されていた。代表団はリオ州ガロチーニョ保安局長官の意向もあり、服役者たちの要求を受け入れる態度を固めていた。
三十一日午前一時ごろ、所内で怒号や助けを求める声が相次ぎ、一時間に三発の銃声が聞こえた。午後になって代表団が所内に入り、銃器を引き渡して当局の制圧に入ることで暴動服役者と合意した。その直後、人質全員が解放された。
その後、代表団は所内を検査、三十人以上の遺体を発見した。遺体はいずれも原型をとどめない程破損しており、暴行のすさまじさを物語っているという。
暴動のリーダーによると、殺害されたのは対立グループのメンバー三十八人で、両グループは以前から所内でいがみ合っていた。
治安当局内部では、新設の刑務所にもかかわらず安易に脱走や暴動が起きたことや、三十人以上もの犠牲者が出たことなどが問題視され、上層部でははやくも責任転嫁の談話が飛び交う醜態が演じられている。