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コラム 樹海

 デカセギ二世の実態を知る二世が、日本におけるデカセギの行動・思考の仕方を語ると、どのようになるか――さきごろ、ロンドリーナで同地沖縄県人会主催の出稼ぎ問題をテーマとするシンポジウムが開催され、ニウトン・ソノキさんが、統計からみた現状を発表した。この人はペトロブラスのコンサルタントだそうだ。以下は発表の要旨▼ブラジル人の日本における最大の問題は、現在、若者犯罪の増加。悪化の傾向をたどっている。若者たちが(日本の)学校教育を避けているからだ。その理由は、(1)いじめ、(2)言葉がわからない、(3)日本国内のブラジル学校に通おうとしても学費が高すぎる▼学校教育への関心が薄いもう一方のわけは、十六歳になると仕事ができ、両親並みの収入が得られる。稼いだ手持ちのお金をみて、自分は独立している、という感じを持つ。こうした若者は酔っ払ったり、自動車事故を起こしたり、(女性は)早めに妊娠したりする。勉強からは完全に離れてしまう▼ソノキさんは、ブラジル人が日本に行けば、戻って来る機会は非常に少ないので、ブラジルを離れることは、なるべく避けるべきだ、とも言う▼できればそうしたい、という声が周囲から聞こえてきそうだ。シンポジウムのまとめは、日本に行った人達が戻って来られるような、支援の組織をつくること。これまで、同様の催しが開催されるたびに議論されてきたことだ。周知のように、現状では徹底、実現は至難なのである。(神)

04/06/04