6月5日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】ブラジルから積み出された大豆を中国が引き取り拒否したことに関連し、最後の船積み分六万一千トンを検品したSGSは不純物が混入した事実はなかったとの声明を発表した。
SGSはスイスに本社を置き、世界百四十九都市に支社を持つ国際的権威の検査機関。検査結果によると不純物はなく、しかもサントス港で摂取したサンプルも現存していて、充分に立証が可能とし、中国の支社からも入港した大豆に不純物はなかったとの報告を受けたという。したがって、七個の不純物を見つけたという中国側の説明は納得し難いと発表した。
SGSではブラジルの輸出大豆の三五%を検品しているが、先に農務省が検品の怠慢を指摘したのに反発、「ブラジル当局はこれまで石、土砂、木の葉などの混入物の検査を指示してきた」としている。
いっぽうで、農務省の下部機関で大豆の品質等級を検査するEMATERは、これまで種子の分析などの要求がなかったとし、SGSが検査した以外のこれまでの船積分の混合物は、同機関の独自の調査では、〇・〇一三%でアメリカの規制の〇・〇二%よりも低いとしている。
農務省は今後アメリカの規制に準じてキロ当たり三個の種子の混合を許容範囲とする旨、業者に通達する意向だ。これに対し業界は今回の中国のケースのようにゼロ混入を要求された場合にどう対応するか国際的根回しが必要だとの見解を示している。いずれにしても関係筋は中国側の云いなりになっている政府の弱腰に批判的な立場をとっている。