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活況呈するニット需要=寒波襲来に業界嬉しい悲鳴 サンパウロ州

6月9日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】寒波の襲来により〇四年のニットの需要が、昨年比三〇%増の活況を呈した。セーラ・ネグラ市を中心とするニットを生産する地方都市では、冬到来を前に在庫を一掃した。
 同市のニット組合では冬が終わるまでに、〇四年は昨年比五〇%増の売上を予想している。過去二年暖冬が続いたため、ニット業界は苦境に喘いでいた。今年の寒波は、同地で嬉しい悲鳴となっている。
 同市と近隣都市でニット零細企業千三百七十社が各社毎月五千着以上を生産し、六百八十軒の売店と国内の卸商へ流通している。セーラ・ネグラ市の活気で、近隣都市のニット業者は驚いた。同地方の小売店は、七月までに在庫の二五%を払底するとみている。
 かつての実用ニットの時代は終わり、今は町を挙げてファッション用に取り組んでいる。ニット業者は旧式の一台一万レアルの手動式機械を、八万ドルのコンピューター・プログラムを組み込んだ自動式に交換した。
 自動式導入で、複雑な模様編みや多彩な柄入りでも月産二万着が生産可能となった。生産設備の近代化により、数々の新しい化学繊維を使用して夏向きのニット生産も可能になった。