6月9日(水)
中銀のメイレーレス総裁は、ブラジル経済の活性化が永続的であるばかりでなく、米国の好景気を上回る本格的なものと太鼓判を押した。〇四年第1・四半期の経済成長率を年間ベースで見ると米国が四・四%増、ブラジルは六・五%としている。国際収支も基礎収支も盤石であり、米国の公定歩合引き上げによる流通量の異変があっても、十分耐える基盤ができたと言明した。
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マット・グロッソ州のブライロ・マジ知事は、中国は大豆生産者から直接購入して、輸出商社の仲介を排除しようとしていると述べた。中国の商社が穀倉地帯に進出して、先発商社や米系メジャーと覇を競うらしい。中国は鉄道と鉄道網、港湾を整備するために、三十億ドルを投資する計画。農地を押さえている米系メジャーと物流を押さえる中国と、どっちが強いのか。
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国際労働機関(ILO)のソマビア理事は、ブラジル経済の発展をコントロールしていると国際金融機関を非難した。同理事はグロバリゼーションによる企業家と労働者の移動に言及して、ブラジルの失業は政治不安と治安の悪化を招いたと発言。国際金融はブラジルの雇用創出のための投資促進を考慮すべきと提言した。国際通貨基金(IMF)も南米問題に、もっと集中すべきだと述べた。
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中国の大豆返品問題で振り回される中、伯中衛生協定の年内締結が近づいている。協定が成立するとブラジル産のマンゴーやぶどう、りんご、メロンが大量に輸出される見込み。中国からはリシアライチ、ローガン、中国梨などが入ってくる。中国の果物消費人口は一億四千万人といわれ全人口の一〇%が毎日、果物を食べる。大消費市場の出現に、ブラジルの果物輸出商が期待している。