京都府のある中学校社会科教師が中心となって、「南米移民史を教科書に」という運動が始まりつつある。第一弾として、歴史教育の専門誌で特集記事が組まれることになったそう。
今まで、教科書には移民に関する記述はほとんどなかった。国策移民が多いにも関わらず、戦争に関連する満州移民などと混同されて隠蔽されているとの推測もある。文部科学省が認める教科書に記述がないのは、近代日本「正史」からの除外でもあるだろう。その意味で、日本の戦後は、ブラジルではまだ終わっていないとも言える。
このままでは日本から忘れられてしまう―、との危機感を持つ移民も多い。タイ国の山田長政や日本人町は歓迎されない先例だ。「教科書に移住史を」。この運動が日本で盛り上がることを切に期待したい。 (深)
04/06/09