コラム
北海道の小樽のある会社は、このほどぶどう栽培農家の名前を商品名にしたワインを発売した。野菜やコメでは生産者名をいれた商品が増えているという。名前を出すことは、製造業者なり生産者が商品に責任を持ち、消費者に安心感をあたえる、といった利点がある▼サンパウロ市内のフェイラ・リブレの野菜と、東洋街の食品スーパーのそれを比較すると、後者の棚に並んでいるほうが品質がいいように思える。小売値、仕入れ値に関する部分は、この際議論はしないことにする▼スーパーは、生産者を選んでいるのだろう。だが、包装紙にはずばり生産者を明記したものは少ない。加工食品や鶏卵の場合などは、カゼイロでも製造者名が包装箱、包装袋に書き入れられるが、野菜の場合、そこまでいっていない。フェイラは無印だ▼農協婦人部連合会(ADESC)の定期フェイリニャ(小市)に出品されているものに生産者(すべてカゼイロ)名が記されているのをみた。記す意図は、販売するものに責任を持つ―に違いない▼いつも思うのは、ADESCの拡大版ともいうべき野菜の直売場があればいいな、ということだ。東洋街のスーパーの売れ行きがいいのを見るにつけ、消費者はきれいな、品質のより優れたものを望んでいるのだとわかる▼直売場に出品された野菜には、生産者名をぜひつけたい。北海道の例にあるように日本では普通になりつつあることだ。問題は、やはり売り場を設けるのに要する資金か。 (神)
04/06/09