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終戦の日歌謡ショー=最多票は「荒城の月」=リクエスト曲公募 「岸壁の母」が次点

6月10日(木)

 八月十五日に開催される「終戦の日に送る日本人の心の歌チャリティーショー」へのリクエスト歌曲の公募が締め切られ、集計の結果、「荒城の月」が最も多くの要望を集めた。
 次いで、「岸壁の母」「同期の桜」「異国の丘」「リンゴ追分」の順に人気が高く、「湖畔の宿」「りんごの歌」「影を慕いて」「君の名は」「黒ゆりの歌」といった歌がそれらに続いた。
 自身の「心の歌」に選んだ理由について、応募者は次のように書いている。
 パラー州アレンケール市の坂口成夫さん(80)は、「陸軍航空士官学校を卒業後、満州国牡丹江省勃利県で終戦を迎え、帰還した。拾った命を何に使おうかと思案しているところ、戦後第一回アマゾン・ジュート移民の募集があり、渡りに船とアマゾンに飛び込んで来た。それから五十年。楽しいにつけ、苦しいにつけ口に出てくるのは『同期の桜』のメロディーです」。
 サンパウロ州リベイロン・プレット市の棚橋としおさんは、「昭和十九年に鳥取の予科練に入りました。予科練の歌『若鷲の歌』を歌って、京都駅のホームで見送ってくれた同級生の女の子が忘れられません」との感想文を付記。
 同イタニャエン市の稲垣八重子さん(90)は、「終戦後の日本人の心は暗く、生きる希望をなくした庶民の心に優しく唄いかける、美空ひばりの「りんごの歌」に力づけられた」と思いがつづられていた。
 同グアルーリョス市の近行博さん(78)は、一番の思い出曲として愛国行進曲をリクエスト。「昭和十三年の六年生の時に、学芸会で元気一杯歌った『愛国行進曲』が、今も私の脳裏に懐かしく蘇って来ます」。
 ニッケイ新聞と共催することになるチャリティーショー実行委員会の道耕二委員長は「百曲以上のリクエストがありました。誰でも忘れられない思い出の歌や、脳裏に焼き付いている歌を当日は、五十人のコロニア有名歌手に歌ってもらいますので、ぜひ聞きに来て下さい」と来場を呼びかけている。
 特別出演する歌手中平マリコさんは、「荒城の月」「赤とんぼ」「一本の鉛筆」「悲しい酒」「川の流れのように」の五曲を歌うことが決まった。
 当日は会場受付で、リクエスト曲応募者の中から、当選した人の招待券名簿リストがある。