6月12日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】電話販売(テレマーケッティング)の勧誘を誰しもが一度は受けている筈だ。現在、ビジネスの先端をいく商法で、電話一本で自宅まで配達してくれる便利さを重宝がる人達が多い。しかし、電話攻勢を不快に思う市民も意外と多数存在し、善処を望んでいる。中には営業時間と思われる時間帯は電話に応答しないとか、外出したりする人もいる。さらに一番苦情が多いのは週末や休日の朝寝を楽しんでいる時に掛かってくる勧誘電話である。勧誘がひんぱんなのは銀行の投機の勧めや、電話局の新しいサービスへの加入だという。
プロコン(サンパウロ州消費者保護センター)によると、この種の商法を禁止もしくは規制する法令がないので、行政処分出来ないのが現状だという。ただし、法令では個人情報の横流しや、当事者以外の運用を禁止しているので、勧誘電話があった場合、情報の出所を確かめることが肝要としている。だがこれまでの例では出所をたずねるとウヤムヤにして電話を切っているとのこと。
これらの対処方法としてプロコンは、下記の事項に留意するよう呼びかけている。
一、興味がない場合は、はっきりと強い語調でノー(NO!)という事。
一、調べもせずに買わないこと。買ってから後悔したり、心変わりした時は七日以内であればキャンセル出来る。
一、自分の情報の出所を追求すること、本人の許可無くして個人情報の運用が違法であることを相手に判らしめる。
テレマーケッティング商法は近年急成長を示している。ブラジル・テレマーケッティング協会(ABT)によると、年商は二〇〇二年の十九億六千万レアルに対し、〇四年は三十億一千万と五四%の伸びが予想されている。昨年は二十五億一千万レアルだった。営業所も〇二年の四百六十五カ所、〇三年の五百カ所から本年は五十七増の五百五十七カ所になるとみられている。
同協会では、強引な勧誘や執拗な通話を「質が悪く、かつ時代遅れのインチキ業者の仕業」と決めつけ、協会に加盟している三百八十社にガイドラインを設定しているという。これに違反した会社に対しては除名処分とした上で法的制裁を加えることを検討している。
同協会のガイドラインは
一、相手に身分を明確に伝えると共に、電話目的を簡潔に話すこと。
一、相手が応待できるかどうか時間帯に気を使う。
一、平日の通話は午前八時から午後九時まで。
一、土日は午前九時から午後六時まで。
一、日曜日、休日は客先の要望があった時に限る。
アメリカではこの種の問題への対策として「テレマーケッティングお断りリスト」が存在し、登録者に電話が入ると罰則が加せられる。これに対し同協会は、アメリカでは一日二、三本の勧誘でブラジルの場合は一ヵ月一、二本程度で頻度がちがい、比較にならないと説明している。