6月12日(土)
「パパィ、あれはどこの国の旗なの」
「日本の国旗だよ」
「何であんな国の旗があるの」
「リベルタドーレス杯の優勝チームは、日本に行くからさ」
「ふーん。じゃあ、あの旗は幸運の印なんだ」
七万人の大観衆を集めた九日夜のリベルタドーレス杯準決勝。サンパウロ市内のモルンビー競技場で、サンパウロFCの応援に駆けつけたある親子は、観客席でこんな会話を繰り広げた。
試合開始前、グラウンド中央に置かれた巨大な「日の丸」が一際、観客の注目を集めた。サンパウロFCファンにとって、日本は一九九二、九三年に欧州代表を破り、世界タイトルを連覇した縁起のいい場所。ファンが抱く日本への印象が悪いはずがない。
世界にサッカークラブは星の数ほどあるが、日本の国旗を幸運のシンボルと敬うのは、サンパウロFCただ一つ。どんな形であれ、日本ひいきのブラジル人が増えるのは歓迎だ。(記)