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サンパウロ市 ゲイのパレード開催=世界最大規模150万人が参加=誇りと家族をテーマに行進

6月15日(火)

 【各紙十四日】サンパウロ市の目抜きパウリスタ大通りで十三日、ゲイ(同性愛者)集団の大規模なパレードが行われた。警備に当たった軍警によると参加者は百五十万人というが、主催者筋は二百万人は超えたとしている。いずれにしてもこの種の催しで常に百万人が参加するアメリカのサンフランシスコ市を抜いた世界最大規模のパレードだったと関係者は成功に気を良くしている。
 今回のテーマは「我々には誇りと家族がある」というもので、これまでは白い目で見られてきたのに対し、現在は公然と生活しているという誇りと、周囲の理解のもと、通常の男女夫婦同様に家族が構成されていることを強調している。
 パレードは午後二時、パウリスタ大通りのマスピ美術館前で国歌が流された後、マルタサンパウロ市長が開会を宣言して始まった。音響車(トリオ・エレトリコ)二十五台が二百メートル間隔で繰り出され、それらを囲みながら参加者が思い思いのスローガンを掲げて行進した。ゲイの大半が水着やビキニ姿で肉体美と容姿を誇示し、レスビアンはあでやかな服装をまとった。沿道を埋めた見物者は多彩な〃仮装行列〃に拍手を送っていた。子供連れの見物者は「主旨やホモセクシァルの良し悪しをコメントする気はなく、子供たちに現実を見せて社会勉強をさせる絶好の機会だ」と語った。
 パレードの総費用は四十万レアルといわれ、そのうち十八万レアルはサンパウロ市が、残りは主催者が負担する。主催者側はパンフレット、Tシャツの販売のほか、ゲイ専門のナイトクラブやバーなどが一口千五百レアルの寄付で賄うという。この種の営業店は市内に百店以上あり、彼らの「良き理解者」とのこと。
 パレードは午後二時に出発したが、多数の参加者のため午後八時半にはまだイピランガ通りを通過していた。七年前の第一回パレードは二千人しか参加していない。その前年、九六年の非行式デモには二百人のみが参加した。トニーさん(三五)とダビーさん(四六)は〃結婚歴〃十五年だが「二百人の参加者に見物人からブーイング、野次などが浴びせられ、交通整理の警官からは罵詈雑言でののしられた」と当時を思い出す。それが九九年には三万五千人、二〇〇〇年は十二万人、昨年は百万人に膨れ上がった。
 世界最大の行事を成功させた関係筋は、ゲイの社会的立場をより一層確立するために「結婚承認」の法令化を国会に要請するとしている。マルタサンパウロ市長が下院議員時代にこの法令化を提案したが、審議に及ばずお蔵入りしたことは意外と知られていない。
 

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