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愛のムチはうそ=しつけは労苦を伴う=感情に走らず、道理を説く=自己の信念で子供を教育

6月16日(水)

 【ヴェージャ誌】子供の家庭教育には、誰もが悩まされているようだ。パラナ国立大学心理学科のリジア・ウエベル教授は「しつけは労苦を伴う。労苦を伴わないしつけは、愛情の欠けた誤ったしつけだ」と述べ、感情で叱り、子供に歪んだ人格を形成している親に警告をしている。
 【なぜ家庭教育は難しくなったか】理由は二つ。犯罪の増加により環境が悪化したこと。もう一つは大人たちの間に連帯感がなくなったこと。昔は伯父や隣人、教師が自分の子供のようにしつけをしたが、今はそれがなくなった。
 【どう対処したらよいか】自分で親族や知人、友人と家庭教育懇談会をつくる。ある程度子供を信用し、下らないことで心配しない。何が子供の将来を誤らせるかを検討する。既成概念や先入観が、事実を歪めていないかを検討する。
 【家庭教育や自助努力についての本を読ませるのは有効か】場合による。子供の精神的発育過程に無関心な親は、何をしてもダメ。各年齢で精神的変化があり、それに適切な対応の仕方がある。例えば六歳の子供は、母親と共に食事をすることに喜びを感じる。思春期には思考能力が成育し、両親の欠点が見え、批判をする。精神的成長の過程を、本で学ぶのはよい。しかし、親の欲で子供を金持ちや優等生に育てようと、本を読ませるのは間違い。
 【なぜ間違いか】子供のあるべき将来像や理想像は存在しないのだ。この種の本は、親が自分の満足のために読むもの。子供には、指導書を与えて学ばせる。親は自分の信念で子供を教育し、本の著者に家庭教育を任せるのは誤り。
 【子供に愛情を注ぐ親は、子供を自由放任にしないというが、なぜか】調査の結果、子供を放任している親はほとんど、愛情を持って子供の教育を真剣に取り組んでいないと判明した。  【最低の家庭教育は】子供を叩くこと。もう一つは、親がストレスをためて子供を叱ること。感情だけで叱る親は、愛情や哲学などかけらもない。
 【叩くのは行き過ぎか】九九%は感情で叩いている。愛の鞭はウソ。ほとんどは親が逆上して、理性が正常に機能していない。叩くのは、注意だけでは効果がないとき。調査によれば殴打は、結果が長期に影響し、十倍の逆効果をもたらすという。特に幼児期に叩かれた女性は、結婚後も夫の暴力に悩み、社交性に乏しく、心の傷を負っている。
 【罰則は許されるか】約束や規律を守らない子供には、罰則が必要だ。人間社会の秩序は約束で保たれている。規律に欠ける人間は、社会の敗北者になる。規律の有無は、幼児期の習慣で出来上がる。
 【間違った罰則は】罰則には、道理にかなったルールが必要。親が物事で感情的に走り易く、子供から尊敬されない関係を作ったら、親は罰する資格がない。罰則の効果があるのは、幼児期だけ。親は普段の行動に注意する。子供は親の生活姿勢を見ている。
 【子供に聞き分けがないときは】しばらく放っておく。逆上しているとき、何をいっても無駄。感情が治まるまで、ごねさせる。子供が落ち着いてから、順序を追って道理を説明する。子供は生来のひねくれ者ではなく、親がひねくれさせたのだ。子供が期待するほどの生活力がないなら、子供に白状する。誠意ある告白をすること。
 【子供が幸福な人生を送るための処方箋は】子供に自信を持たせること。特に子供が失敗して傷ついているときは、肯定的な励ましの言葉が必要。
 【子供から尊敬されるには】裁かないこと。他人と比較しないこと。時代が異なることを考慮する。
 【親子で特に注意すること】どんな交友関係があるか、会話や電話で観察する。
 

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