6月18日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】米政府当局は十四日、ブラジル政府は犯罪組織による欧米や中南米向け人身売買に対して取り締まりが手ぬるく、逮捕することも罰することも稀とする報告書を発表した。
報告書は米議会の要請で、百四十カ国の調査を行ったもの。人身売買の度合いは三階級に類別され、ブラジルは第二階級に入る。第一階級は何らかの制裁措置が加えられ、第二階級は厳しい管理を要求する程度。
人身売買は犯罪組織にとって、麻薬と武器密輸に次ぐ利益の多い取引とされる。
欧州向けに〇三年に売られた女性は七万五千人、中米向けが五千人。ボリビア向け男性が二万五千人。ブラジル人女性はコロンビアの偽パスポートで、取り締まりが手薄なベネズエラ経由で欧州へ送られる。
〇三年に百人近くが人身売買の容疑で起訴中だが、全員仮釈放された。判決待ちの間も人身売買は続けており、有罪判決を受けたものはいないという。
外国に売られたブラジル人は累計で八十万人、八〇%が女性で、その七〇%が売春を強制されている。政府は外国で助けを求める被害者に対し、何ら救援策を講じていないという。