6月22日(火)
ジャポネス・ガランチードの原点ここにあり――パラナ州ローランジャ市にあるパラナ州日本移民資料館に、かつての日系移民の志を映し出す貴重な資料が残されている。その名もズバリ、「農家成功双六(すごろく)」。農業の神様として尊敬を集めた日系人は、すごろくという遊びの中でも、勤勉さや意思の強さを求めていたことが分かる。
19日に同市で行われた先没者慰霊祭に先立って開放された同資料館には、数多くの日系人が詰め掛け、移民史を映し出す農具や生活道具などに見入っていた。その中で、一際注目を集めたのがこのすごろく。全25コマからなり、振出には日の丸と、移民船が描かれている。各コマには「開拓」「植付」「炎天下」などと農家ならではの情景が描かれる。作者はチエテ移住地の奈倉登喜次氏。
また、標語として「土地と子供は自愛で肥へる」「豊年に巾着の紐をしめ」などと訓話的な一文も添えられ、かつて移民の子供の情操教育に用いられたことがうかがえる。
上がりのコマには移民の誰もが目指した「成功」の力強い2文字。サンパウロ市から慰霊祭に参加した留学生の絹谷幸太さんは「本当に興味深い」と見入っていた。