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広がる麻薬混合薬物=若者がヴァイアグラを乱用

6月23日(水)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】エクスタシー、大麻、コカインといった麻薬類と性機能治療薬ヴァイアグラを混ぜて作った「カクテル」が、中上流階層の若者たちの間で広まりつつあり、健康への害が懸念されている。
 麻薬とヴァイアグラの混合には様々な組み合わせがあるが、現在ブラジルでは、エクスタシー、LSD、ヴァイアグラを混ぜた「トリミックス」と呼ばれる自家製の混合薬物がリオ市やサンパウロ市の若者らで乱用されている。トリミックスを飲むと、体がほてって聴覚や触覚が過敏になると同時に、性欲が異常に亢進し、勃起状態が長時間継続すると経験者は話している。
 精神科のカルイーニ医師はこうした混合薬物を「悪魔の薬」とみなし、「麻薬だけでは性欲が亢進しても体がいつも反応するとはかぎらない。しかし、ヴァイアグラを混ぜると、体が疲れていても限界を超えてセックスが可能になるため、心臓に過度の負担がかかり、心臓発作を起こしかねない」と警告している。また、この「カクテル」で発作を起こしても救急病院の医師たちはまだ十分に対処できない。米国ではヴァイアグラの不正使用により死亡するケースが発生しているが、報道されていないだけなのだという。
 これらの薬物を使用する若者らは、様々な欲求不満の解消以上に単なる快楽追求を目的としており、そうした態度は過度の消費文化を象徴しているとアブサベール精神科医は分析している。