6月23日(水)
【既報関連】二十日、サン・ベルナルド・ド・カンポス市のアウヴァレンガ区の農園で起きた秋丸繁美さん(七三、山口県出身)、義母の白井スエノさん(八一、熊本県出身)二人の殺害事件で、二十一日付ジアリオ・ド・グランデABC紙が目撃者らの供述を報じている。
事件は同日午後六時過ぎ、車で乗り込んで来た二人の中国人の犯行とみられている。被害者は拘束され、頭部に銃弾を撃ち込まれた。農園の従業員でカンピーナス市出身、セジ・フジキ(六八)さん、同マリンガ市出身、イワサ・フルハタ・アイコ(六五)さんの二人も縄で縛られた。
セジさんは「犯人はポルトガル語を流暢に話した。農園にあった三台の車のうち一台のドキュメントとカギ、それに現金を要求した。乗って来た車で逃走したのは覚えているが、どんな色の、どんなモデルかも覚えていない」と供述。捜査員も現場では犯人の車らしきタイヤ跡を特定できていないという。
農園そばに住む中国人リ・グイグアングさんは、警察の調書に対し、「銃声が聞こえる前、この地区で三人の東洋人を見た」と語り、通訳を介し「銃声に気づいたとき、私はサッカーをしていた」などと明かしているという。
警察では現時点で犯人逮捕に繋がる手掛かりは何もつかめておらず、犯罪現場が混乱しているため、証拠品も見つかっていない。
一方で、昨年、白井さんの息子二人が溺死、白井さんが生命保険金を受け取っていることから、「これが犯罪の動機になっている可能性もある」、「日本人の習慣で白井さんが家に多額の現金を保管していた可能性がある。それを狙われたのでは」との見方も示している。
白井さんは未亡人で娘とその夫の秋丸さんと一緒に住んでいた。警察では二十二日の葬儀を待った後、娘に対しても事情を聞く予定があると明かしている。