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大統領支持率が急落=「評価する」が3割切る=低所得者、若年層、北東部で顕著=就職難で支持者失望

6月24日(木)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】政権支持率を調査した全国運輸連合(CNT)は二十二日、現政権を評価すると回答した人が五月の三四・六%から六月には二九・四%へ激減したと発表した。評価しないは二〇%から二四・一%へ上昇。大統領の政治力への評価は、六〇・二%から五四・一%へ下がった。安定を保っていたブラジルへの満足感は、初めて低下し始めた。調査は十五日から十七日にかけて、二十四州で二千人に対し行われた。
 ルーラ大統領とその政権は就任以後十七カ月目で、支持率がこれまでの最低水準に達した。もし今日大統領選が行われたら、現大統領は落選するという調査結果だ。〇二年十月に大統領選でルーラ候補だけを支持するとした人は五一%だったが、現在は一六・五%へ減少した。
 調査対象の五八・九%は、大統領は実力を発揮していないと答えた。二〇・二%は大統領の精一杯の能力と評価。一六・四%は見かけ倒しと回答。
 ルーラ政権を最高とする評価が五月の七%から、六月は五・一%へ下がった。良いが二七・六%から二四・三%へ。普通が四四・二で変化はなし。評価しないは八・三%から一一・六%へ、最悪は一一・七%から一二・五%へ増加した。大統領の政治能力は失格とするが、三二・四%から三七・六%へ増えた。
 唯ひとつの取り柄は、〇六年にカルドーゾ前大統領やシロ・ゴーメス前候補、アンソニー・ガロチニョ前候補と大統領選を競ったら、ルーラ大統領が二八・五%、続いてカルドーゾ前大統領一六・六%、ゴーメス前候補一四・八%、ガロチニョ前候補一四・二%の順で、まだ生き残れそうだ。
 治安については回答者の八〇・六%は、無政府状態と答えた。三五・五%が強盗や窃盗、引ったくりに遭う恐れを抱くと答え、二九・六%は麻薬の蔓延を憂慮すると答えた。治安当局の対応は、不十分が六四・六%。二九・一%は、辛うじて評価と答えた。
 ヴァンピーロ(吸血鬼)作戦を知らないと答えた人が、四五・六%。聞いたことがあるは、三〇・六%。熟知しているは、二一・四%。汚職は日常茶飯事と答えたのは、七九・九%。偶発的な事件とみなす人は、一三・三%となった。
 選挙については、ほとんどの有権者がテレビの宣伝で候補者を認識、その他のメディアではあまり認識されていなかった。しかし、ルーラ大統領の選挙公約「雇用創出」を覚えていると答えた人は、七〇・四%と多い。回答者の六六・九%は就職に苦労し、雇用問題は未解決とした。
 最も懸念すべき問題は、所得格差が一〇・四%、医療制度が八・二%、教育行政が六・六%であった。大統領が専用機を新調したことを知っているが三三・五%、よく知っているが二七・一%。そんな無駄遣いに反対が六五・八%、必要は二五・二%、無関心は四・九%だ。
 ルーラ政権への支持率が特に低下したのは北部と北東部、若年層、低所得層で、これまでPTの票田とされた地盤であることが特徴。PT支持者が大統領の公約を、あきらめ始めたようだ。これまでの支持率低下は南部や東南部のみであったが、いまは全国で低下が目立っている。